地域に支持される商店街づくり
~各店が個性を出し合い、魅力ある店づくりへ
- 場所:
- 長野県 佐久市 岩村田本町商店街
- 分類:
- 【イベント】【空き店舗・空きビル】
- 人口:
- 10万人
- 協議会:
- なし
- 実施主体:
- 岩村田本町商店街
ネット販売日本一、地域資源を活用した店づくり、提案型商品の提供、お得意様を生かした店舗展開、このように頑張っている商店街があるのです。
長野県佐久市の北部、長野新幹線佐久平駅から約1kmに位置する店舗数32店舗、特徴のある2階建て・3階建ての共同店舗で構成される岩村田本町商店街です。
岩村田本町商店街では、長野新幹線や上信越自動車道の整備が進む中で、これから始まる大競争の時代に対応できるようにと若手経営者や後継者が集まり、商店街組織改革の気運が高まり、平成8年に岩村田本町商店街振興組合が発足しました。
こうした中「日本一に挑戦シリーズ」をスタートさせ、「日本一長~い草餅を作ろう大作戦!」や「クリスマスケーキ作り日本一大作戦」などのイベントを次々に実施し、全国的にも注目を集めたところです。
また、郊外への大型店の出店が加速する中で、地域とともに発展してきた商店街が存在感を発揮して勝ち残るには、「地域とともに生きる店づくり、商店街づくり」が原点であると考え、次のような商店街活動を進めてきました。
岩村田周辺地区には公民館がなかったため、地域に役立つ商店街活動として「現代風縁側・井戸端」をコンセプトに、空き店舗を活用して、バスの待ち時間や買物の休憩場所、地域サークル活動、展示販売会場等として活用ができるコミュニティ施設を整備しました。
「本町おかず市場」の開設
大型スーパーの移転等により商店街の中に生鮮産品を扱う店舗がなくなったため、人通りも減り商店街に大きなダメージが発生。
このため、商店街の集客力を上げ組合員店舗への波及効果を高めることを目的に、地域生活店舗の開設に向け活動が進められました。
商店街が主体となって空き店舗を活用し消費者の意見に沿った店づくりを進めるため、「何を売るのか、誰に売るのか、どのように売るのか」等をテーマに勉強会を重ね、地域生活店舗を立ち上げる予行演習として朝市(いわんだ市)を開催し、近隣の消費者の意見や集客性の把握を行い、大型店とは差別化した惣菜を中心とした店舗づくりを進めることになり、試食会の開催、惣菜屋さんへの修行などを経て、地域になくてはならない惣菜店の開設に至りました。
岩村田本町商店街は商品を手造りする店舗や職人が多く集まっている商店街であることから、出店希望者の募集にあたっては、「手造り、手仕事、技の街」、「やる気のある若者の登用」を条件とし、チャレンジショップ事業「手仕事村」をスタート、その後若い世代の出店者が商店街の空き店舗に出店する事例につながっています。
子育て支援事業「子育て村」
また、最近では核家族化が進み、地域とのコミュニケーションが不足がちとなる社会では、子育て世帯の保護者もまた地域とのコミュニケーションを持つことを望んでいることから、お客様の望んでいることを吸い上げ、子育て支援という側面からまちづくり、店づくりを進めて行こうとする、子育て支援事業「子育て村」も開始されたところです。
商店街では、これら事業の推進にあたって各事業ごとに担当者を決め、責任を持って事業を推進することにより事業効果を高めているとのことでした。また、空き店舗の活用においても、定期的に大家さんとの情報交換を行ことにより、空き店舗活用についての理解と協力が得られるよう活動を行っていました。
岩村田本町商店街では、これらの事業を通して、地域の方々により多くご利用いただける店舗にするためには、地域に密着した店舗運営を心がけ、コミュニケーションをお客様と積極的に図ることが重要と考え、日々買物に来て下さるお客様一人一人を大切にし、「地域と共に生き・暮らす店舗づくり」に大変役だったとのことでした。
阿部商店街振興組合理事長さんは、「各店がアイデアや個性、技を出し合い、魅力ある店舗づくりを進めていくことが商店街の活性化につながる。」と話されておられました。
編集後記
すばらしい商店街活動を行っている商店街があるということで取材に行きましたが、阿部理事長さんに店舗をご案内していただくうちに、各店舗の方々がアイデアや技、地域資源等を活用され、「魅力のある店舗づくり」に 向けて非常に頑張っておられたのが印象的でした。
また、阿部理事長さんの、「商店街の魅力は個店の魅力づくりがあってこそ。」と話されていたことに深く感銘したところです。