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平成29年度四国地域中心市街地活性化協議会交流会(高知県四万十市)
基調講演 公民連携による中心市街地活性化のまちづくり
藤枝市都市建設部 中心市街地活性化推進課 課長 増田 政巳氏
藤枝市の第1期並びに第2期中心市街地活性化基本計画の概要を説明頂くとともに、中心市街地活性化基本計画推進における藤枝市のスタンスについて説明がありました。
藤枝市は、基本計画を推進する上で、民間事業者をまちなかに誘導することで民間事業者が持つ資金・アイデア・ノウハウを中心市街地の活性化につなげることを基本スタンスとしています。この基本スタンス(民間活力の積極的な導入)のもとにした藤枝市の特徴的な取り組みは大きく3点あります。
(1)民間事業者に対する説明
藤枝市は、まず、民間事業者にまちなか投資に対して興味を持ってもらうために国の支援メニューと、中心市街地のまちづくりの方針や活性化に向けた取り組みなどを説明しています。民間事業者の事業の企画や内容などをヒアリングし、活用できそうな国の支援制度を紹介するとともに、活用する上での課題や提案、事業実施後の調査報告義務などもていねいに説明し、事業実現に向けたマッチングを行います。藤枝市は、大規模市有地の有効活用による成功事例を作り出し、ハード・ソフト両面において鍵となる企業にまちづくりへの参画を促し連携した取り組みを実施しました。成功事例をもとに、さらに民間投資の活発化を狙ったのです。
また、藤枝市は国の支援メニューを説明する一方で、民間事業者からニーズを収集し、市として都市計画法や建築基準法などにおいて規制緩和できる部分はないか検討するなど、さらなる民間投資促進の環境整備を行っています。
(2)連絡会議など民間に情報を取りに行く取り組み
藤枝市では、駅周辺のにぎわいの創出や地域振興を図るため、月に一度民間事業者主催による連絡会議が開かれています。この会議は、駅北地区活性化連絡会議、駅南地区活性化連絡会議と駅の南北に分けて開かれます。参加団体は、駅周辺の民間事業者や宿泊施設、金融機関、まちづくり団体、公的機関など約20団体に上ります。この会議では、駅周辺の活性化策などについて話し合いや報告を行います。具体的には、各団体による事業や取り組みなどの報告(情報共有)や、駅周辺の課題に対する取り組みの検討・実施など様々です。話し合いは活発になされており、予定の会議時間をオーバーすることも多々あるそうです。
このような話し合いを通して、まちなかに対する投資が洗練されていきます。まちなかへの再投資が継続的に行われ、にぎわいが創出されることで、さらなる中心市街地のブランド価値向上につながっていきます。

(3)中心市街地活性化タウンプロモーション(市民・企業への情報発信)
藤枝市は、市民や企業の中心市街地活性化に対する理解を高めるために様々な情報発信策を講じています。ケーブルテレビにて総合情報番組の制作・放送、SNS公式ページの開設、地域情報誌への掲載などにより、中心市街地活性化の施策や取り組み、まちの魅力を積極的に発信しています。さらには、マスコミへも積極的にリリースすることや、中活推進課が作成する「中心市街地活性化ニュース(中活ニュース)」の発行なども継続的に行われています。
また、まちづくり会社が主催する歩行者天国イベントの「て~しゃばストリート105」やマルシェ事業、イルミネーション事業などへの支援を行うことにより、来街する機会を増やすことでまちの魅力を知ってもらうためのきっかけづくりも行っています。なお、平成24年度に「て~しゃばストリート105」の経済波及の調査・分析を行ったところ、イベントを実施した10日間(指定土・日曜日)で約1億2千万円の効果があり、そのうち約6割が周辺店舗等に経済波及があったことが判明しました。このイベントが、にぎわいを創出し周辺への経済波及をもたらす効果的な取り組みと実証されました。
これらの多様な情報発信策を講じることで、まちなかに人を呼び込み賑わいを創出しています。

参考)地域情報誌・駅サイティング(左) 参考)中活ニュース 発行回数は400を超える(右)

このような取り組みが民間投資の呼び水となり、1期目の基本計画では、新たな民間開発計画が生まれ、計画変更により5事業が新規追加されるほどでした。加えて、こうした民間投資の結果、まちへの期待感やブランド力の向上により、商店街の空き店舗への出店も相次ぎました。平成27年1月から1年5ヶ月でまちなかに61事業所が出店しましたが、そのうちの30件が空き店舗への出店でした。なお、公示地価における商業地の上昇率が2年連続で県内トップということで、不動産価値の向上も見られました。
また、前述のとおり、生活に付加価値を与える施設の整備により、マンションなどの住宅投資につながりました。これらのマンションには市外からの移住者が約4割、市内の住み替えが6割となっており、中心市街地のブランド力向上とコンパクトシティの推進による成果となりました。
