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中心市街地活性化協議会支援センター

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協議会支援センターのご案内

平成27年度 九州・沖縄地区 中心市街地活性化協議会交流会(久留米市)

日時 平成28年2月19日(金曜日)14時00分~18時30分
開催地 福岡県久留米市/くるめりあ六ツ門
主催 中小企業基盤整備機構九州本部・沖縄事務所/中心市街地活性化協議会支援センター
九州経済産業局、内閣府沖縄総合事務局
共催 久留米市中心市街地活性化協議会
交流会次第 14時00分~14時05分
開会挨拶    
中小企業基盤整備機構九州本部(以下「中小機構」) 安部修二
開催地挨拶   
久留米商工会議所・専務理事 穴見英三氏

14時05分~15時20分
第1部      
事例紹介・講演

【事例紹介】
事例:久留米街元氣プロジェクト
久留米商工会議所商業振興課長 行徳和弘氏

【講演】
「まちゼミの現在(いま)」
岡崎まちゼミの会代表 松井洋一郎氏

15時30分~17時00分
第2部      
パネルディスカッション

【テーマ】
“まち”をつむぐ~まちのタレントが生む好循環~

【パネリスト】
岡崎まちゼミの会  代表 松井洋一郎氏
久留米市中心市街地活性化協議会
タウンマネージャー(以下「TM」  入江雅春氏
美骨LABOエーパシ・カイロプラクティック 井上 彩氏
西原糸店  西原 健太 氏
リノベナプロジェクト  半田兄弟(半田啓祐氏・満氏)

【コーディネーター】
中小機構九州本部・沖縄事務所
中心市街地サポートマネージャー(以下「SM」 岡本真司

17時00分~17時15分
伝達事項等   
中心市街地活性化協議会支援センター・中小機構九州本部
九州経済産業局産業部・流通サービス産業課長 福島裕幸氏

17時15分~18時30分
第3部      
「まちゼミ」体験
(1)えこる久留米 “「自分再発見!照心屋:てらこや体験会」”
(2)昭和亭食堂 “プロが教える玉子料理のコツ”
(3)自家焙煎珈琲カフェ・グリュック
   “コーヒー豆と焙煎の深イイ話
    ~焙煎度の違いによる珈琲の味わい~”
(4)文化街さくら屋 “日本酒を楽しく学ぶ”
(5)よしの園 “茶室で日本文化を楽しもう”

18時30分
終了
参加者数 93名
協議会数 12協議会(他関係機関17先)

交流会概要

第1部 事例発表・講演

 中小機構の開催挨拶に続き、久留米商工会議所商業振興課長 行徳(ぎょうとく)和弘氏より、事例発表がありました。行徳氏は、平成9年から中心市街地活性化(以下、「中活」)事業を担当しており、「街なか起業家支援」「まちゼミ(商店主が講師となって専門知識などを無料で受講者=お客様へ提供する少人数制ゼミ)」「久留米式リノベーション」など、商業活性化の様々な取り組みを行い、高い実績を上げています。今回の交流会では、久留米市の「まちゼミ」推進者と「岡崎まちゼミの会」の松井洋一郎氏から、直接まちゼミの話が聞けるとあって、中活地域に限らず九州・沖縄各地から「まちゼミ」を実践している商業者が多数参加しました。

(1)【事例紹介】「久留米街元氣プロジェクト」

六ツ門通り(左が建設中の久留米シティプラザ)

平成28年4月に、地元百貨店(平成21年閉店)跡地に複合商業施設、久留米シティプラザが開館予定。コンベンション機能や1,500席の音楽ホール、商業機能、文化交流機能を持つ。コンサートなどの集客を久留米の街の滞在へつなげるようなソフト事業の取り組みに力をいれていく。
JR久留米駅の新幹線隣駅(新鳥栖駅)前に九州初の重粒子線治療(がん治療に効果的な先進医療)センターが開業した。これを好機とし、「久留米は医療が強い」をテーマに地元大学などと協力し、医療目的の来街者を増やすメディカルツーリズムに取り組む。
「空かない店舗」対策:補助金で開業支援する空き店舗対策ではなく、店舗を持続できる「空かない店舗」対策に注力する。まちづくり会社の株式会社ハイマート久留米が受け皿になり、久留米商工会議所とTMで繁盛店を作るためのビジネスプラン作成支援を行い、開業後も日常的な経営支援、月1回の営業ミーティングを重ねながら繁盛店になるまで“伴走支援”を続け、合わせて商店街の若手リーダーとなるよう“人財育成”に取り組んでいる。
「まちゼミ」は、平成25年秋に始まり、平成26年6月開催の第4回では1,300名以上の申し込みがあった。
久留米方式の「まちゼミ」の特徴は、以下の通り。

1)まちゼミKids:まちなか起業家の店主の提案で夏休みに親子ゼミ26講座を開催。地域資源の久留米絣(かすり)でコースター作りなどを行い、どの講座も満足度100%。
2)「久留米まちゼミアカデミー」:単位制カード(年間8単位)がリピート受講を促し、参加者が増加すると共に参加店の顧客創りにも貢献している。
3)図書館との連携:「まちゼミ」店舗に関連する書籍紹介コーナーを設け、図書貸出と「まちゼミ」参加者の両方を増やす取り組みにより相乗効果があり、集客につながっている(買い手良し・売り手良し・地域良し・支援者良し・図書館良し)。

(2)【講演】 「まちゼミの現在(いま)」

交流会の様子

次に、「まちゼミの現在(いま)」と題し、岡崎まちゼミの会代表であり、中小機構の中心市街地商業活性化アドバイザーの松井洋一郎氏から、次の通り、最近の取り組みの紹介がありました。

現在、人口4,000人から180万人のまちまで全国253か所で開催されている。一番人口の小さいまちが、 新聞折込900人で130人を集客し、一番成功している。「まちゼミ」参加店が他の店舗の「まちゼミ」を薦めるのが集客に効果的。
店舗のコラボレーション(以下、「コラボ」)は「まちゼミ」以降も有益。寝具店とマッサージの接骨院がコラボしたときは、「まちゼミ」後でも寝具店と接骨院が自店の顧客の悩み相談に互いの店を紹介し、お客様に喜ばれた。
参加商店主の連携が運営面で効果的。千葉県西船橋では、参加店舗だけが参加できる秘密のFacebookを作り、チラシの配布や席の並べ方、アフターサービスのヒントなど自店で効果のある取組みを紹介したり、疑問点を商店主間で相談できる仕組みを作った。
「まちゼミ」は地域と商店主と地元の人をつなぐ取組み。参加者が仲間の商店主を誘ったり、地元の人がチラシ郵送を手伝ったりする自発的な活動が生まれている。「まちゼミ」を紹介する商店街を歩く「まちゼミツアー」など新しい取り組みも始まっている。

第2部 パネルディスカッション

 第2部では、中小機構の岡本真司中心市街地SMをコーディネーターに、松井氏と久留米市中活協TMの入江正春氏、市内の若手商業者3人を加えた5人をパネリストとしてパネルディスカッションを行われました。

入江氏

パネルディスカッションの様子

 平成20年から久留米市中活協のTMを務めている。主な業務は空き店舗対策である。第1期基本計画が始まった平成20年に空き店舗率が24.4%で、第1期終了時までに15%とすることを目標としたが、市内西地区の百貨店閉店後は、久留米市の中活エリア内の300数店舗のうち、100店舗以上がシャッターを下ろしてしまった。その後、市と一緒に起業家支援事業に取り組み、3年間で86店を開業できた。

 「まちゼミ」を知り、やってみたところ、第1回目から手ごたえがあり、創意工夫を重ねながら年2回実施し、今年5回になり、目に見える成果と効果を実感している。空き店舗率は17%まで下がったが、一方で営業不振や高齢化による閉店も増えている。空き店舗を埋めるだけでなく、繁盛店を作らなければ空き店舗対策にならない。

美骨LABOエーパシ・カイロプラクティック 井上彩氏:

 夫の整体師と一緒に久留米へUターンし、創業支援の「街なか起業家」事業に応募し創業した。入江TMに事業計画の立て方から融資、店舗オープンのノウハウまで教えていただいた。年明けに開業予定で準備していたところ、入江TMに10月にオープンするように助言いただき、「まちゼミ」1週間前にオープンした。「まちゼミ」の受付が始まった途端に申込みの電話が殺到し追加講座を設定して、知り合いもいない開業直後に60人もの方々に来店いただくことができた。

西原糸店 西原健太氏

 来年創業100年を迎える糸・綿製品の卸問屋。10数年前から、久留米絣を扱い始めた。ファッション性の高いメンズの洋服や製靴メーカーのMoonStarとコラボしたオリジナルスニーカーなどを扱う。問屋街なので消費者や隣近所の店舗との付き合いがなく、試行錯誤しているときに「まちゼミ」に出会った。

リノベナプロジェクト  半田兄弟(半田啓祐氏・満氏)

 不動産の管理やアパート経営が仕事だが、賃貸物件のリノベーションも手掛けている。リフォームは古いものを新しくすることだが、リノベーションは、古くなった建物に新しい価値をもたらすことが違う。家庭菜園のあるアパートや入居者が壁面を好きな色に塗ることができるアパートにすることで満室になり、家賃を高く維持できているが、アパートだけでなくエリア全体をよくしなければアパートに入る人も増えない。

 久留米ではリノベーション物件といえども、高い家賃を取れないので、DIYリノベーションでコストを押えている。

「まちゼミ」参加店ポスター
質問
活動の中での出会いなどはありましたか?
回答
西原:「まちゼミ」を通して問屋街・商い通りの横のつながりができた。一般客の少ない商い通りなので、近隣の参加10店と日程調整して同時期に時間をずらして開催し、参加者にエリア内を回遊してもらう工夫をしている。
半田:元々はアパートの改装をしていたものが、DIYのワークショップを商店街でやってほしいと言われ、TMや商店街の人と一緒にまちづくりに関わるようになった。作る過程を楽しんでもらい、作業を通して、立場や年齢に関係なく仲良くなれる。


質問
好循環の事例を紹介してください。
回答
入江: 10店舗起業したうち、女性オーナーの3店が繁盛店になり、商店街のイベントなどでも積極的に活躍する存在になった。
「まちゼミ」の参加者1,300人のアンケート分析の結果、75%が初めて来店、55%が初めて商店街に来たことがわかった。新しい客の参加が増えているので、「まちゼミ」後、自店の客になってもらうための工夫が必要。「まちゼミ」を実施することで、オーナー自身が取り扱い品の産地で勉強をしてきたり、商品について学び直したり、お店を見直すきっかけになっている。
半田:入江TMに紹介してもらって、長く放置してあった空き店舗のオーナーにシェアオフィスや宿泊施設にできないか提案したところ、まちのためになるならと喜んでリノベーションを検討していただけることになった。
松井:久留米市では、様々な活動を通してリーダーができている。「まちゼミ」は一つの手段で、活動のきっかけになればよい。

その後、九州経済産業局から「商業関連支援施策」の概要説明がありました。

第3部 「まちゼミ」体験

お茶会の作法やお茶の点て方を学ぶ

 第2部終了後、参加者は5グループに分かれ、市内の店舗へ移動し、下記の「まちゼミ」体験講座に参加しました。

 下のポスター中「5」のお茶店舗では、本格的なお茶室でお茶会を体験し、お茶の作法の基本や久留米での茶道伝承の歴史や日本文化についてお話を聞きました。店舗2階のお茶室は、茶道教授のための家元の指導が行われている場所で、短時間の「まちゼミ」と言え、掛け軸や挿花、お茶道具も本格的なお茶会のしつらえで、総合芸術とよばれる茶道文化の奥深さを体験させていただきました。参加者は非日常のひとときを楽しむことができ、とても好評でした。

今回の交流会用「まちゼミ」のポスター

 以上をもって、今回の交流会は終了しました。

関連リンク

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久留米まちゼミ公式サイト 別ウィンドウで開きます