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平成27年度 東北地域中心市街地活性化協議会等交流会(盛岡市・紫波町)
日時 | 平成27年11月12日(木) 13:00~17:40、13日(金) 10:00~12:00 |
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開催地 |
11月12日 岩手県盛岡市/大通会館リリオ(LiRiO) 3Fイベントホール 11月13日 岩手県紫波郡紫波町/紫波町情報交流館 大スタジオ |
主催 | 中小企業基盤整備機構(以下、「中小機構」)東北本部、中心市街地活性化協議会支援センター |
共催 | 東北経済産業局 |
後援 | 東北地方整備局 |
交流会次第 |
【11月12日(木)】 13:00~13:10 開会挨拶 中小機構東北本部審議役 泉 秀明 東北経済産業局産業部商業・流通サービス産業課長 相馬 広志 氏 13:10~14:00 基調講演 「中心市街地の新興集客施設クロステラス盛岡の取組」 三田農林株式会社 ゼネラルマネージャー 釜崎 覚 氏 14:10~15:40 中心市街地視察 クロステラス盛岡、もりおか歴史文化館、肴町商店街など 15:50~16:30 盛岡市の中心市街地活性化計画の概要と取組状況 「第2期盛岡市中心市街地活性化基本計画について」 盛岡市商工観光部商工課長 後藤 敏弘 氏 「盛岡Value City株式会社事業概況について」 盛岡商工会議所 産業振興部長 水野 匠 氏 16:00~16:40 情報提供 経済産業省東北経済産業局産業部商業・流通サービス産業課 加藤 聖子 氏 国土交通省東北地方整備局建政部 都市調整官 加藤 武彦 氏 中小機構東北本部経営支援部審議役 泉 秀明 【11月13日(金)】 10:00~11:00 特別講演 「PPP手法によるまちづくり“オガールプロジェクト”」 オガールプラザ株式会社 代表取締役 岡崎 正信 氏 11:00~11:45 現地視察 オガールプロジェクトエリア内 11:45~11:55 情報提供 中心市街地活性化協議会支援センター 11:55~12:00 閉会挨拶 盛岡商工会議所 |
参加者数 | 52名 |
参加協議会数 | 16協議会(他関係機関 6先) |
交流会概要
【11月12日(木)】
開会挨拶の後、「クロステラス盛岡」の開発経緯と事業活動について、三田農林株式会社の釜崎 覚氏より、次の通り基調講演がありました。
(1)「中心市街地の新興集客施設クロステラス盛岡の取組」

明治34年創業の三田農林株式会社は、産業用火薬・建築資材商社である株式会社三田商店の子会社で、林業や果樹生産、酪農事業に加えて、盛岡市中心地で貸家・駐車場賃貸を営んできました。平成12年頃より、郊外へ移転する店舗が増えたため、空き物件を有効活用した駐車場整備、自社木材を使ったリノベーションや高齢者住宅の建設など、街なかに人をとどめる事業を展開するようになりました。さらに平成14年からは、自社所有の駐車場を種地とした中心市街地活性化に取り組み、鹿島建設、リーシング会社との連携による商業施設開発プロジェクトを展開しています。
「クロステラス盛岡」の基本コンセプトは、『近隣住民の生活の価値向上のライフスタイルセンター』として、1Fがスーパー、2Fが飲食店と小売店の構想でテナント募集を始めた。
商業施設の運営は経験がなく、テナント集めに苦労し、30店舗の入居が決まったのは平成21年10月の開店直前だった。その後、リーマンショックの影響もあり、開店直後から退店が始まり、平成23年の東日本大震災でさらに経営は厳しくなった。
テナント誘致の方針を変え、地元を大事に考えるオーナーを探し、郊外モールにないブランドで長期的にお付き合いできる店舗を誘致するようにした。スーパーマーケットに代わり、1Fのメインテナントは、産直ショップ「賢治の大地館」を直営することにした。
イベントは、最初、東京の販促会社に任せっぱなしで、だんだん集客効果が下がっていった。現在は、地元のイベント業者と一緒に地域ニーズの高いイベント企画・準備を行うようにした。その結果、年間200弱のイベントで再び賑わいを創出することができるようになった。
今後は、中心市街地の集客施設、「フェザン」「モスビル」「川徳」「ななっく」と一緒に共同販促を行い、中心市街地を回遊して複数の集客施設を訪れる仕掛けを作っていきたい。
(2)盛岡市中心市街地視察
この後、参加者は3班に分かれ、中心市街地の代表的事業のうち、下記の街なかスポットを見学しました。

1)大通り・菜園(さいえん)エリア(地図中④⑦)
県内随一の商業集積地で盛岡映画祭が開催される「映画館通り」
クロステラス盛岡
2)盛岡城址公園周辺エリア(地図中⑧⑩)
もりおか歴史文化館(町なか情報センターを整備)
盛岡城址公園(音楽や観光などのイベント開催)
3)河南エリア(地図中①②)
岩手銀行旧中ノ橋支店(歴史的建造物を活かし、展示・交流拠点を整備)
盛岡バスセンター(老朽化のため再整備検討中)
肴町(さかなちょう)商店街(盛岡一交通量が多いアーケード街。震災後、隣接地に駐車場・商業複合施設nanak(ななっく)が建設され、集客効果が期待される)

(3)盛岡市「第2期盛岡中心市街地活性化基本計画」
盛岡市は、平成25年3月に満了した1期基本計画の基本方針を継承し、2期基本計画(平成25年11月から30年3月)を推進しています。

震災の復興支援やJRの岩手デスティネーションキャンペーンの影響で観光客入込数と宿泊客数は増加しているが、再来してもらうためには、ソフト事業の充実が必要である。
中心地にマンションが増え、居住人口は増えているが、中心市街地に魅力を感じる人が減少している。
中心市街地の各エリアの集客効果を周辺へ波及するために回遊性向上を推進する取組を行う。
(4)「盛岡Value City株式会社事業概況」
盛岡商工会議所より、盛岡Value City株式会社の取組が紹介されました。盛岡中心地の各種ポイントカード等をよりセキュリティの高いICチップ付電子マネー対応カードに統一し、地域経済の活性化を図ることを目的に設立された会社です。

地域情報を集めたポータルサイトと連携した新地域カードシステム「MORIO-Jカード」の運営を行う。
WAON(ワオン)の電子マネー・ポイントシステムを使い、地域内での電子マネー活用を促進し、商店街・大型テナント同一ポイントカードで「地域オンリーワンカード」を目指す。
出資者は、商工会議所、商店街、カード会社、大型店、ポイントカード運営会社、盛岡市など。
加盟店は192店、発行枚数8万枚(平成27年10月末)で、1年後には、加盟店300店、カードホルダー10万人を目指す。
将来的には駐車場料金や公共交通機関の電子マネー決済・ポイント支払いを可能とし、利便性を高めていきたい。
その後、東北経済産業局から「地域商業活性化支援策」、東北地方整備局から「立地適正化計画」、中小企業基盤整備機構東北本部から「中心市街地活性化支援メニュー」等の中心市街地活性化支援策の概要説明がありました。
【11月6日(金)】
2日目は、紫波(しわ)町に平成24年に完成した官民複合施設オガールプラザにて、特別講演と現地見学が行われました。
(1)「PPP手法によるまちづくり“オガールプロジェクト”」
紫波町の地域再生プログラム「オガールプロジェクト」の成功を導いたオガールプラザ株式会社代表取締役の岡崎正信氏から、次の通り、講演がありました。
岡崎氏は、旧地域振興整備公団で全国の地域再生業務に従事し、その後、平成18年に日本唯一のPPP教育拠点である東洋大学大学院公民連携専攻の1期生として公民連携(Public Private Partnership)を研究した後、地元に戻り、「オガールプロジェクト」に参画しました。
このプロジェクトの特徴は、首長の公約、住民・商店街等々の要望、不採算が前提の公共性などを斟酌し、制約条件が散在する中で最大限の付加価値を創出する仕掛けを追求した点にあり、駅前の町有地10.7ヘクタールを中心に、ホテルやバレーボール専用体育館、図書館、カフェ、産直マルシェなどが入居する施設を相次いでオープンさせ、年間80万人が訪れるようになりました。「オガール」は、紫波の方言で「育つ」を意味する「オガル」+フランス語の駅「ガール」を組み合わせて名付けられました。

人口34,000人の紫波町は、岩手県内で一番昼間人口率が低い町であり、財政難の中、役場庁舎の老朽化や図書館新設などの行政課題や住民の要望を満たすことは不可能だった。
中心市街地活性化のため、「商業」でにぎわいを起こすことは、人口減少時代にはそぐわないと考えた。
PPPとは、民間に稼いでもらって公共施設を維持する仕組みと考えている。
人口の10倍、30万人の商業(売買)を目的としない人を集めることを目標として、まちづくりを行った。
-町の役割として、図書館(利用者17万人)と新しい庁舎(来庁者7万人)の設置・移転を求めた。
-民間事業として、岩手県が計画していたフットボールセンター(利用者10万人)の誘致を図った。
オガールプラザ(図書館、カフェ、産直マルシェ等)は、100%テナントを決めてから、適性規模で民間事業者に発注し建設コストを下げた。
オガールプラザ完成2年後に整備された体育館オガールアリーナは、比較競争力を重視しバレーボール専用としてこだわりを見せている。もちろん、他の用途にも使えるが、床材などをオリンピックやワールドカップ仕様にしたので、日本代表だけでなく海外のナショナルチームからも引き合いがある。
講演後、図書館、産直マルシェやバレーボール専用体育館などの見学を行いました。
以上により、今回の交流会は終了しました。