公共空間を活用した賑わい、くつろぎ空間の創出(豊田市駅西口ペデストリアンデッキ)

取り組みのポイント

  • (1) 道路(公共空間)を利用して、おもてなし空間を醸成。
  • (2) イベントで、市民や出店者に道路(公共空間)利用をPR。
  • (3) 道路(公共空間)の市民・民間主導による有効活用。
<概況>
所: 愛知県豊田市
口: 約42万人
類: 「イベント」「交流施設」
会: あり
あそべるとよた推進協議会

1.まちの活性化への取り組み

豊田市は名古屋市の東方に位置し、県下最大の市域と県下2番目の人口約42万人(平成28年6月1日現在)を有する中部圏の経済を支える中核都市のひとつです。また、トヨタ自動車株式会社の企業城下町として発展してきました。

豊田市は、現在、第2期豊田市中心市街地活性化基本計画(以下「基本計画」と言う。)に基づき活性化事業を実施しており、その運営に関しては、豊田市中心市街地活性化協議会(以下「協議会」と言う。)やその下部組織であり具体的な事業の推進・調整及び誘導等を行う官民連携の推進組織である豊田シティセンターマネジメント(TCCM)(以下「TCCM」と言う。)において活発な協議が行われ、着実に事業が推進されています。

2.ペデストリアンデッキ活用事業に至るまでの経緯

ペデストリアンデッキ広場(全景)

名古屋鉄道「豊田市駅」西口にあるペデストリアンデッキ(以下「デッキ」と言う。)は昭和63年10月に完成し、通勤、通学者などで、現在は1日約2万2千人の通行量があります。しかし、ほとんどの人が、デッキを「豊田市駅」と愛知環状鉄道「新豊田駅」の通路としてしか利用しておらず、多くの歩行者が、まちへ回遊していない等の課題がありました。

そこで、豊田市は、まちの賑わい創出と商業活性化のため、基本計画に「ペデストリアンデッキ活用事業」を掲載しました。中小機構の中心市街地商業活性化診断・サポート事業プロジェクト型の提言も参考にし、道路(公共空間)に売場(出店)を配置し、賑わいを創り出す取組を行いました。

3.具体的な取組み

平成27年5月、道路(公共空間)を活用する「あそべるとよたプロジェクト」の最初の取組として、「すわれるデッキWEEK」、「あそべるデッキDAY」を行いました。

すわれるデッキWEEK

「すわれるデッキWEEK」は約1か月間、想定されるデッキの余剰範囲にテーブル・イスを設置し、滞留・くつろぎ空間を創出し、その使われ方や歩行者の動線の変化、影響等を検証しました。

また、その期間の一日を、「あそべるデッキDAY」とし、実際に市民活動団体に楽器演奏等のパフォーマンスを行ってもらうことにより、市民の活動に、デッキの空間が使用できることをPRしました。

これらの取組の検証結果をもとに、豊田市ではデッキの余剰空間であった、385平方メートルを道路区域から除外し、広場化することを決定、関係機関と協議を行い、同年9月、「ペデストリアンデッキ広場」(以下デッキ広場と言う。)を開設しました。

同時に、都心地区にあるデッキ広場等の官民の公共空間9箇所を一体的に活用する組織として、「あそべるとよた推進協議会準備会」(後の平成28年4月から協議会に移行)を設立しました。この組織は、9箇所の公共空間の管理者、中心市街地活性化協議会・TCCM、市商業観光課、事務局の市都市整備課で構成されています。

その後、平成27年秋の取組として、同年10月から11月の約1か月間、「あそべるとよた推進協議会準備会」の主催により、「あそべるとよたDAYS」を開催しました。この取組は、都心の公共空間9箇所を対象に、広場の使用者、プログラムを公募し、実践してもらうもので、期間中31団体が、さまざまなプログラムを実施しました。

特に、デッキ広場では、カフェ・バーが設置されたほか、朝ヨガや、フラダンスの披露、ストリートサッカーの大会などが行われました。これまで単なる歩行空間だった場所が、憩いやにぎわい創出の空間となりました。

カフェ・バー

平成28年度は、前年度の取組の検証をもとに、各広場の特性に応じた活用取組の第1弾として、デッキ広場では、長期飲食事業の公募を行い、選定された「○七商店」が4月26日から10月31日まで、営業しています。収益型活用取組として、広場における収益事業の確立と広場運営の担い手の発掘という目的に向って着実に成果を出しています。

ビアガーデン「○七商店」

また、「あそべるとよたDAYS」も期間を5か月に拡大して、「あそべるとよたDAYS 2016」として、7月22日から11月30日まで実施し、さらに広場の使い手を増やしていきます。期間中は、それぞれの広場の受付窓口、広場使用料を統一し、広場を使いやすい仕組を整えます。広場使用料は、平日、休日、時間などで細かく設定されており、例えば、休日に営利の活動を1日全面で実施すると使用料は10,000円になります。使用者は「あそべるとよた推進協議会」事務局である豊田市都市整備課に使用申請する仕組みになっています。

「あそべるとよたDAYS with イルミネーションストーリー in とよた」

4.取組の効果

平成27年度の「あそべるとよたDAYS」の期間中11月1~3日のデッキに隣接している商業施設、T-FACEへの入店者数が、前年比42.2%大幅増となりました。また、平成28年4~6月のデッキの通行量が、前年比5.6%増となり、数値的に見ても一定の効果があったと言えます。その他の効果としては、収益事業の創出、担い手(出店者)の発掘、公共空間の利用方法を内外にアピールできたことなどがありました。

5.取材を終えて

道路(公共空間)を利用して、来街者にくつろぎや楽しめる空間を提供することによって、来街者の滞留時間の拡大と回遊性の向上を図り、賑わいを創出する。その目的のため、イベントを段階的に試行し、着実にステップアップしていると感じました。

取材日:平成28年7月

 

 

 

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