古都のガラス張りチャレンジショップ"もちいどの 夢ショップ"
~商店街によるチャレンジショップ設置~

場所: 奈良市餅飯殿町 もちいどのセンター街
分類: 【空き店舗・空きビル】
人口: 36.5万人
協議会: なし
実施主体: もちいどのセンター街
URL: http://www1.kcn.ne.jp/~mochiido/

伝統のまち餅飯殿町に新しい感覚

夢CUBE店舗

奈良市餅飯殿町("餅飯殿"と書いて"もちいどの"と読みます。)「もちいどのセンター街」にチャレンジショップ「もちいどの夢CUBE」があります。
コロコロと転がるサイコロをイメージしたガラス張りの店舗の集合体は、若い起業家の新しい感覚を発信しています。ひとつのキューブは、10平方メートルの広さで、1.5キューブから2キューブ、最大4キューブを組み合わせた10店舗が並んでいます。

もちいどのセンター街
もちいどのセンター街路地

近鉄奈良駅から、南へ300メートルほど下ると "奈良町"に辿り着きます。そこに繋がる商店街がもちいどのセンター街です。奈良町には江戸末期から明治時代にかけての風格のある町家が並び、情緒ある街並みを散策することができます。奈良町には一般の観光客に加え若者や外国人観光客が多く訪れ、もちいどのセンター街へも足を運びます。


もちいどのセンター街の通行量は、「もちいどの夢CUBE」のオープン前と比較して1.3倍になっています。そして、若い感覚のお店が増え、今では、幅3mほどのメインストリートに、老舗だけでなく新しい感覚のお店が並ぶ商店街になっています。路地にも、面白い飲食店や古い民家を改造したお店が並んでいます。

"もちいどの夢CUBE"の誕生

夢CUBE オープン告知ちらし

もちいどのセンター街は、以前は"県内随一"とも"奈良の銀座"とも呼ばれ、高級品から日用品まで揃う県内有数の商店街でした。この通りにお店を出すのが商業者にとってステータスでありましたが、地方経済の衰退等の理由により、1970年代末から商店街に活気がなくなってきました。空き店舗が増え、来街者も減少していました。


「もちいどの夢CUBE」の場所は、元々パチンコ店でした。ここが閉店したため、空き店舗対策として、この土地をセンター街協同組合が購入しました。そして、「もちいどのプロジェクトM」を立ち上げ、この場所をいかに活用していくかを検討していきました。当初は、コストを掛けずにパチンコ店の店舗をそのまま活用する予定でしたが、建物の耐震性に問題があり、建て替えは必須でした。


全国では、チャレンジショップが結局は空き店舗になってしまう事例が少なくありません。そのことを踏まえて、なるべくコストを掛けずに、また、まずは「10年間」と期間を定めてこの試みを実施しようという基本的な考えをもとに「もちいどの夢CUBE」の形態が生まれました。



センター街からの夢CUBE入り口

ガラス張りのキューブ状の店舗で、人工的な路地を作っています。内装は地元の吉野杉、店舗の間を縫う路地は石畳で作られ、平屋という贅沢なつくりになっています。光をたっぷりと採り入れ、ショップ経営者のチャレンジ精神を象徴するような輝く店舗となっています。手作り雑貨店・アクセサリー店・珍しいお茶を扱うお店やパン店など個性的な10店が出店しています。このチャレンジショップの出店募集には、40件もの応募があり、書類審査・面接などを経て、この10軒が出店することになりました。


オープン当初は、当商店街の客層との違いや、新規顧客をどのようにつかんでいくかなどの不安要素がありました。しかし、"もちいどの夢CUBE"は、若い感覚の店舗の吸引力となり、外国人観光客も多く立ち寄る人気スポットとなりました。

商店街の新たな課題

夢CUBEの人通り

当初の空き店舗対策計画では、このチャレンジショップを、低い賃料で新規創業者に3年間貸し出し、その後、成功したお店にはセンター街の空き店舗に入ってもらい、商店街の空き店舗を解消するという狙いがありました。


しかし、今では、「夢CUBE」を卒業したお店が移動できるような空き店舗はこの商店街から少なくなってしまいました。「夢CUBE」はオープン(平成19年4月)から、まだ日が浅いにもかかわらず、商店街に新しい感覚のお店を呼び込んでいるようです。空き店舗が少なくなったというのは大変喜ばしいことですが、「もちいどの夢CUBE」を卒業していくお店の店舗確保という新たな問題が発生してしまいました。

奈良市中心市街地活性化基本計画で重要な役割を担う"もちいどのセンター街"

夢CUBE前の空き店舗だったスーパー

「夢CUBE」の向かい側には、8年間ほど空き店舗になっていたスーパーがありましたが、平成20年7月に新たなスーパーが開店しました。また、印刷工場であった建物を小劇場に仕立てようという計画も出てきています。
「夢CUBE」の新しい感覚によって、新しい風が吹き、商店街に活気がよみがえってきました。今後、「夢CUBE」から羽ばたき、この商店街のなくてはならない存在に成長する店舗がたくさん生まれ、まちの賑わいを醸成していくことが期待されています。


奈良市の中心市街地活性化基本計画が平成20年3月に認定を受け、さまざまな事業が立ち上がり、もちいどのセンター街も重要な役割を担っていくことになっています。また、2010年には平城遷都1300周年を迎え、多彩なイベントが行われ、多くの来街者で賑わうことが予想されます。これから、この「夢CUBE」の存在がきっかけとなり、さまざまなイベントを活用しながら、この商店街がどのように活性化されていくのかが楽しみです。

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