官民協同による大型空き店舗の再利用 ~山形県山形市~

場所: 山形県 山形市
分類: 【空き店舗・空きビル】【公共交通】
人口: 25.4万人
協議会: あり
実施主体: 山形市中心商店街活性化連絡会議
URL: NANA BEANS
http://www.yamagata-cci.or.jp/nana/

山形市のなりたち

ルネサンス様式の文翔館(旧県庁)

山形市は人口25万、山形県の県庁所在地です。古くは最上(もがみ)と呼ばれ、平安時代末には出羽路の主要宿駅の一つでした。室町時代中期以降に城下町となり、江戸期は商業都市として大いに発展・繁栄しました。なかでも、染料や口べにの原料だった紅花(べにばな)は全国随一の生産を誇り、関東・関西の各地に出荷されていました。

明治になって統一山形県の県庁が置かれ、明治22年に市制を施行。近接の村を合併し、昭和31年に現在の規模となっています。

中心市街地の危機

山形市の中心市街地には、ダイエー、ビブレ、山形松坂屋などいくつもの大型商業施設がありましたが、平成12年以降順次撤退。特に集積が高い七日町商店街から平成12年に山形松坂屋が撤退した影響は大きく、周辺の歩行者量は50%も減少。更にイオンなどの大型の商業施設が南北から挟むように郊外に立地するなど、中心市街地は更に厳しい状況におかれました。

官民協同の大型空き店舗利用

そのような状況の中、山形県、山形市、山形商工会議所、七日町商店街振興組合等近隣商店街は、平成12年に「山形市中心商店街活性化連絡会議」を結成。松坂屋が撤退した後の8階建ての空きビル再活用について協議を重ねました。

その結果、1階から3階を生鮮品や衣料品などの物販を中心に民間の店舗が入居し、4階から8階を山形県、山形市が床を借り上げることになりました。

「NANA BEANS」の誕生 そして「イイナス」

こうして民間商業施設と、商業インキュベートオフィスや飲食専門のチャレンジショップ、子育て支援機能や学生が勉強できる「学習空間」などが合体した「NANA BEANS」が平成14年にオープンしました。


山形松坂屋の空きビルの再活用した「NANA BEANS」
開放的なイベント広場を備えた「イイナス」とナイトバザールの様子

これにより、子供や学生、高齢者そしてビジネスマンなど幅広い層の人々が中心市街地に戻ってきました。そして、それまで減少していた歩行者通行量を55%回復させることに寄与しました。


更に翌平成15年、「NANA BEANS」の隣の街区にある大型家電量販店の撤退跡地も再開発。商業機能とイベント広場(ほっとなる広場公園)からなる「イイナス」としてオープンしました。この開放的なイベント空間を活用して、年間80回以上の各種イベントが実施され、中心市街地の集客に大きな役割を果たしています。

100円循環バスを運行

10分に1本の割合で市内を走る「中心街100円循環バス」

市街地の整備だけでなく、中心市街地の回遊性、利便性を高めるための工夫もされています。山形市、商工会議所、中心市街地の商店街が資金を拠出し、平成11年から「中心街100円循環バス」の運行を始めました。10分おきに市内を循環し、現在1日平均1,100人の乗降客を運び、にぎわい創出に貢献しています。

まちが変わり始めた

現在、中心市街地では民間によるマンション建設も進んでいます。また、一時は郊外への移転も計画された市立病院も各方面からの強い要請を受け、引き続き現在の場所にとど
まることになりました。


このように山形市の中心市街地の再生は、官と民の協同により少しづつその効果が出始めています。まちが変わろうとしています。


佐藤克也氏

周辺商店街の取りまとめ役として、更には行政や商工会議所、そして、各店舗間の調整役として、まちづくりのために日々奔走しておられる七日町商店街振興組合事務局長 佐藤克也氏にお話を伺いました。


「山形市の中心市街地は、大型店の撤退などで一時大きく疲弊しました。しかし、行政や商工会議所、そして商店街が垣根を越えてひざ詰めで話し合いを重ねてきました。その結果が、「NANA BEANS」や「イイナス」、そして絶え間なく実施される多くのイベントとして具現化し、それらの継続的な取り組みにより、徐々に中心市街地に人が戻ってきています。」
「このような山形のまちとその取り組みを、是非、現地でご確認ください。そして、みなさんの参考になれば幸いです。皆様のお越しをお待ちしております!」

編集後記

イイナスの「ほっとなる広場」において、毎年「地球の文化祭」というイベントが開催されます。これは、山形市内外に在住している外国の皆さんが一同に集結し、各国の伝統料理の屋台や民芸品などを販売するお店が集まるというもので今年も10月5日(日)に開催されます。
そして、その「地球の文化祭」の開催当日(10月5日)に、当機構で実施する「街元気プロジェクト」の現地研修が開催され、佐藤さんに山形のまちづくりのノウハウをお聞きすると同時に、まちを案内していただきます。この現地研修への参加料は無料ですので、是非、お早めに申し込んでください(定員10名程度)。(交通費、宿泊費等は自己負担になります。)


「街元気プロジェクト」の現地研修の申し込み

街元気事務局
(独立行政法人中小企業基盤整備機構 まちづくり推進課)
担当 : 大原、川又、山本
TEL 03-5470-1632
FAX 03-5470-1178
E-mail machigenki@smrj.go.jp
(山形現地研修募集サイト)
http://www.machigenki.jp/modules/seminar/index.php?page=article&storyid=33

山形の中心市街地は、世界各国の人もまきこみながら、着実に進んでいます。

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