平成28年度全国中心市街地活性化協議会勉強会

第7分科会

テーマ:「元氣な商業者を“結び・育み・繋ぐ”−街元氣プロジェクト−」
発表者:久留米商工会議所 商業振興課長 行徳和弘氏

概要

久留米では、街なかで起こりつつあるポジィティブな環境変化により“集人”の機会が高まっている。一方、このチャンスを“集客や回遊”に結び付ける“魅せ力”(店力)の向上が大切な課題となっている。久留米方式として“様々な関係性・成果”を生み出している「まちゼミ」、繁盛店になるまでサポートをし続ける「街なか起業家支援」など、中心市街地の元氣な商業者を“結び・育み・繋ぐ”「街元氣プロジェクト」の取組みについて紹介する。

事例発表者の発表内容

街元氣プロジェクトの「街なか起業家サポート事業(以下、「起業家サポート」)」と「久留米流まちの得するゼミナール(以下、「まちゼミ」)」を紹介した。「空き店舗対策」だけでなく、「空かない店舗対策」も必要であると認識し、主価値(商業の魅力)を高める取組みとして平成21年より「起業家サポート」、25年よりまちゼミに取り組んでいる。

現在(平成28年7月)までに6回実施し、参加68店舗、95講座、参加者1,617名にまで拡大した。28年11月からの第7回は79店舗、108講座で開催された。特筆すべき点は、参加者の7割が新規客、その3割が顧客化、そしてほぼ全員の客が満足又は大満足と感じており、久留米のまちゼミは「質」「量」共に充実、発展している。

その要因は、「まちゼミという戦略の中で、地域の創意工夫を盛り込んだ戦術(企み)」にある。具体的には「まちゼミアカデミー」「個店ポスター展」「まちゼミキッズ」「まちゼミインターナショナル」「地域・社会貢献とのコラボ」「起業家サポート事業とのコラボ」等、まちゼミを軸として様々な連携、コラボ企画が派生していることにある。もう一つの要因として、参加店舗が客とのコミュニケーションを大切にすること、お互いに新規客を増やしていくよう取り組むこと等、「まちゼミの方程式」をよく理解していることが挙げられる。

起業家サポートは株式会社ハイマート久留米、久留米商工会議所、久留米市、中活協タウンマネージャーの4者が他のソフト事業を含め、毎週集まり(タウンマネージャーミーティング)で不断なくPDCAで回すことにより、出店者を繁盛店にするまで手厚く支援している。この起業家サポートとまちゼミをコラボさせて、起業・創業のハードルを低くして人材を集め、起業家の卵の発掘とネットワークづくりも行われている。

これらの好循環は今後も、久留米市中心市街地に様々な活性化事業や取組を生んでいくことが期待できる。

参加者との質疑応答

質問
参加店舗を増強する方法は?
回答
集客や顧客化といった、成功体験を積み、商業者サイド、サポートサイド双方から取組み等の情宣活動をしていくのが有効。
質問
市民を巻き込むコツは何か?
回答
企画段階で市民は参画していない。まちゼミに参加してもらい、市民にまちゼミのファンになってもらうことが重要。客同士の関係性の構築といった地域生活者による“まちゼミ仲間創り現象”も現れ、「商店街回帰」へと繋がっている。

分科会のまとめ

  1. まちゼミは地域の戦術(創意・工夫)により、様々な事業や企画との連携、コラボが可能であり、まちづくりの展開に幅を持たせている。
  2. 関係者が役割分担をして取り組むこと(久留米型フォーメーション)で人材不足等を克服できる可能性もある。
  3. 参加店舗側は「まちゼミの方程式」を理解し、実践することが肝要である。「まちゼミの方程式」とは「関係性の構築」とも解釈でき、人と人とのネットワークが好循環を紡ぎ出す要因となっている。参加店舗間での成功体験の共有化(話して広めること)も重要なポイントである。企画側には、成功体験の積み重ねと、PDCAサイクルの中で、常に話題性を創っていくことが求められる。


第7分科会の様子

 
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