平成28年度全国中心市街地活性化協議会勉強会

第4分科会

テーマ:「“どんどん”とは何か? 名門まちづくり会社の活路開拓、次世代の挑戦!」
発表者:長浜まちづくり株式会社 風景プランナー 竹村光雄氏

概要

単なるリノベ物件ではない。観光客向け店舗へのリノベはもう先が見えている。観光客の増加に反比例して、地元民が離れていく中心市街地。まちのためになすべきは? まちづくり会社が取り組むべき事業とは?

“どんどん”は、BtoCからBtoBへ。ターゲットは地元のプレーヤー達だ。長浜まちづくり会社の次世代、風景プランナーを名乗る“よそ者”出身の竹村氏が企画した。まちづくりの先駆者、あの吉井氏が作り上げた、長浜のまちとまちづくり会社を後継できるか。

事例発表者の発表内容

長浜まちづくり株式会社は、長浜市の中心市街地で、歴史ある町並みをリペアーしながら、新しいコンテンツを発信してきた。約30年が経ち、観光客は1年で約200万人を呼び込めるほどのまちになった。しかしながら、過度な観光化によって地元民の足は遠のいた。これからもまちは変化していくわけであるから、まちには新たな活路とこれを担う人材を確保していかねばならない。まちの外に散在している求心力のある人や生業を呼び込み、彼らが活躍できる機会をまちなかに創り出す。その拠点こそが“どんどん”であり、これはまちづくり会社自身の活路開拓でもある。

参加者との質疑応答

質問
町屋のリノベーションに対して、長浜では資金の出どころはどこになるのか?
回答
リノベーションに要する資金は、大家が負担する場合、テナントが負担する場合、そしてまちづくり会社が負担する場合の3パターンがある。“どんどん”は長浜まちづくり株式会社が負担したが、助成金(経済産業省:補助率2/3、長浜市:補助率1/6)を活用して資金負担を軽減させ、自己負担額についても目標期間内に利用者から回収できるよう図っている。
質問
まちづくり会社がリノベーションに取り組むに際し考えておくべきことは?
回答
単に店舗用物件を作り、これを貸し出すためのリノベーションだと限界がある。まちづくり会社が果たすべき役割を考えたリノベーションが必要。長浜まちづくり株式会社としては、民間でのリノベーションを促進するための取り組みを行い、自らは集客や居住を促すリノベーションを行っている。“どんどん”は、中心市街地に外にいる事業者を呼び込む狙いを持ったリノベーションでもある。

分科会のまとめ

本事例は、先駆のまちづくりが挑む新たな挑戦であり、以下が特筆する要点である。

  1. 長浜市中心市街地の活性化は、「博物館都市構想」を掲げ、古いものを否定するのではなく、その価値を肯定し伝えるとのスタンスで進めてきた。
  2. 長浜市の中心市街地では、複数のまちづくり会社が存在し、各々、目的に応じた事業を行っている。そのため、まちづくり会社には、特にその存在意義が問われる。
  3. 長浜まちづくり株式会社が行うリノベーションは、直接、商店街内に店舗物件をこしらえテナント誘致を行うものではない。「町家再生バンク」など、間接的に、物件の更新や居住者・起業者などまちに関わろうとする主体の新陳代謝が起こる機会を創り出している。自らは、まちに集客し(安藤家等)、滞在時間を延ばし、居住を促す(シェアハウス絹市など)目的でのリノベーションを行ってきている。
  4. 国内観光客は減少傾向にあり、地元民が中心市街地から離れている。観光だけに頼らない、地元民を呼び込む活性化策が必要であり、その試みが“どんどん”である。
  5. まちづくり会社は目的があり存在している。よって、目的を達成したまちづくり会社に将来はない。しかし、まちは常に変わっていくわけであるから、まちづくり会社が担うべき役割や実施すべき事業は無数にある。まちづくり会社自身も活路を開拓していく必要がある。


第4分科会の様子

 
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