平成28年度全国中心市街地活性化協議会勉強会

第3分科会

テーマ:「市民との“つながり”を大切にするまちづくり会社の役割」
発表者:まちづくり福井株式会社 代表取締役 岩崎正夫氏

概要

まちづくり福井株式会社では、コミュニティの担い手として、地域住民とのつながりを大切にしている。お市の方ゆかりの「美のまちプロジェクト」や、まちなかつながるストリート「まちフェス」などの取り組みに加え、平成28年4月にオープンした福井駅西口再開発ビル「ハピリン」の屋根付広場や多目的ホールを活用したイベントの企画や取り組みなど、どのようなコミュニティの場づくりを行っているのだろうか。

事例発表者の発表内容

まちづくり福井株式会社はコミュニティの場つくりのポイントは以下の3点である。

1.販促と賑わいをつくる

中心市街地活性化サイト(アソビねっ!)の立ち上げにより情報発信を強化し繋がりの拡大を図った。以下のグループが中心となり、賑わいをつくり、サイトで発信をしている。

(1)アソビ隊
お店やイベントを取材してマップやサイトで発信している。
(2)マチなかサポーター
街なかのイベントなどで、一緒に街を盛り上げるグループ。各サポーターの趣味や仕事で培ったノウハウを活用している。サポーターは、表現活動を行う「パフォーマー部門」、運営の補助を行う「ボランティア部門」、ブースの出展などイベントに参画する「イベント 出展部門」に登録をして活動している。
(3)美のまちふくいワークス
「美」をコンセプトに福井駅前井中心市街地と美容関連業界の活性化を図るプロジェクト。「ビューティワークス」「ファッションワークス」「フードワークス」の3つに分け、情報発信をしている。
(4)EKIMAE MALL
福井駅前の旬の情報をまとめたフリーペーパーを毎月発行している一般社団法人。駅周辺の大型店や商店街を一つのモールと見立てて情報共有、一体発信、販促やイベントなどの取り組みを行う。
2.活動をつくる
(1)まちの担い手プロジェクト
多様な市民から構成される(*1)「まちの担い手プロジェクト」を発足させた。studio-L山崎亮氏の協力もあり、6つの市民プロジェクトが生まれた。その中の「きちづくり福井会社」は、商店街の空き店舗を拠点として、自主企画のイベントなどを行っている。企画などは、きちづくり福井会社の定例会である「キチバル」で話し合われ、ハイセンスでありながら楽しいものを生み出している。
(*1)当プロジェクトは、行政、NPO職員、大学生、商店街店主、建築家、グラフィックデザイナーなどで構成されている。
(2)トラベルガイド福井人の発行
地域の魅力である「人」を中心に発信する地域ガイドブック。発行にあたり、資金はクラウドファンディングで出資を募り、290名から171万円を調達した。このガイドブックは、編集の専門家が作るのではなく、福井に暮らす住民が、取材対象者を選び、住民自らが取材をして記事を書いている。紹介人物は392名に達した。出資から、取材にかけて、福井のことを考える多くの人との交流が生まれたことになる。ガイド誌発行に留まらず、毎年のGWには、ガイドブック関係者があつまる「福井BBQ」を実施。ここからさらに人の輪が新たに広がっている。
3.場所をつくる

繋がりの拡大としてリノベーションスクールを開催してきた。現行7件の空き店舗をリノベーション(*1)してきた。元理容店や元アパレル店を、飲食、フリースペース、シェアオフィスにするなど、まちの遊休不動産に新たな機能を付加し、賑わいと雇用を創出した。この事例がきっかけとなり、リノベーション街づくりを根付かせたい思いから、まちづくり福井株式会社がリノベーションスクールを開催するようになった。

(*1)7つのリノベーション事例
Flat / カフェリビングsu-mu / ゲストハウスSammies
クマゴローカフェ / クラフトブリッジ / KOBU / BENTO

参加者との質疑応答

質問
まちづくり会社運営や収支上の悩みがあるが、街づくり福井株式会社の取り組みは?
回答
受託事業の収益が約束されておらず、経費面での工夫が求められている。
質問
小さな町のまちづくり会社運営でアドバイスがあるか。
回答
リノベーションスクールについては、小さな町でも効果があげられるのではないか。
質問
屋根付き広場の活用について留意点があるか。
回答
先進事例として富山市や長岡市がある。冬の期間の活用が課題である。

分科会のまとめ

  1. 人との繋がりについては、岩ア氏が会議所勤務の30年間かけて培ってきたものであり、それが現在生かされている。
  2. 若者たちが動きやすいように、まちづくり会社は裏方に徹している。
  3. リノベーションスクールは多くの地域で、中心市街地活性化についての若者の関心を高める点で効果的である。
  4. 美のまちプロジェクトは今でも商業者間での広がりをみせており、中心商業地での先進的な取り組みとなる可能性をもっており、注目に値する。


第3分科会の様子

 
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