平成27年度 中部中心市街地活性化ネットワーク会議(春日井市)

日時 平成28年2月4日(金曜日)14時〜18時
開催地 愛知県春日井市/スペースパレッタ
主催 中小企業基盤整備機構中部本部、中心市街地活性化協議会支援センター
共催 中部経済産業局
交流会次第
14時〜
14時15分
開会挨拶 中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」) 元木 茂
議長挨拶 中部中心市街地活性化ネットワーク会議議長 河木 照雄 氏
開催地挨拶 春日井市産業部経済振興課課長 今野 直明 氏
14時15分〜
15時15分
第1部      講演「民間まちづくり会社によるまちづくり事例の研究」
           勝川商業開発株式会社 代表取締役 水野 隆 氏
15時15分〜
15時30分
質疑応答
15時30分〜
16時30分
現地見学    「ままま勝川」
16時30分〜
17時40分
第2部      グループ討議および発表10分
           テーマA タウンマネージャーの役割について
           テーマB 民間まちづくり会社による事業について
          テーマC 公共空間・広場の活用について
17時40分〜
18時
情報提供    中部経済産業局
          中心市街地活性化協議会支援センター
18時
終了
参加者数 42名
協議会数 9協議会(他関係機関 8先)

交流会概要

まず、中心市街地活性化(以下、「中活」)ネットワーク会議議長の河木照雄氏、開催地である春日井市の産業部経済振興課長の今野直明氏の挨拶に続き、「民間まちづくり会社によるまちづくり事例の研究」と題して、株式会社勝川商業開発(以下、「勝川商業開発」)代表取締役の水野隆氏による取組みの講演がありました。

(1)「民間まちづくり会社によるまちづくり事例の研究」

春日井市勝川町は、中活エリアではありませんが、名古屋駅から電車で20分足らずというアクセスの良さから分譲・賃貸マンション建設が盛んで若いファミリーに人気の地域です。地元商店主出資の完全民間のまちづくり会社による再開発の取組事例として、まちづくり会社設立のきっかけと最近の取組みの紹介がありました。

ネットワーク会議の様子

  • バブル崩壊の頃、銀行から持ちかけられた商店街内の不良債権店舗の売却相談をきっかけに、平成7年に商店主有志9名がまちづくり会社を設立した。銀行融資を受け、店舗を購入・改装しテナントとして貸し出した。
  • 従来の個別不動産オーナー任せの空店舗対策とイベント依存の集客では、変化する周辺住民が来街したくなるまちづくりをするには限界があると考え、これをきっかけにまちづくり会社を設立し、「自らがまちに投資することで不動産価値を高める」ための活動を始めた。
  • 事業目的は、
    • 1)商店街の整備等都市開発に関する調査・企画・実施
    • 2)商業者向けのコンサル業務
    • 3)不動産賃貸及び不動産管理業務など。
  • その後、再開発でマンション440戸ができ、1000人くらいの新住人が増えたが、駅前周辺の商店街で新住人を見かけることはなかった。平成24年にマンション住民を含む全住民にアンケートをしたところ、「商店街に欲しいものがない」「子どもといけるスペースがない」という意見が多く寄せられた。
  • 勝川は通勤に便利なため、高い賃料が払えるお店だけでは街に揃えたい業種を揃えることはできない。まちづくり会社として、まちに欲しい業種を集めようと取り組んだのが「TANEYA」と「ままま勝川」である。
1)「TANEYAプロジェクト」(リノベーション事業)

TANEYA

若い世代が集まるまちを目指し、積極的に若手商業者らを巻き込み、商店街に欲しいテナントを誘致した取組みとして「TANEYAプロジェクト」が紹介されました。

  • 商店街内で5年放置された築80年の古民家店舗(種苗店)のリノベーション事業である。
  • テナントの事業内容やオーナーの負担能力を勘案して設計・建設予算を決めた。平成26年に開業し、計画では1年半で投資回収予定。
  • 事業コンセプトを理解し、価値観を共有する起業家のシェア店舗のため、顧客層もある程度重なっている。シェア店舗は、起業家にとって家賃が安いばかりでなく、集客の負担が軽減できるメリットがある。現在はカフェ・はんこ製造販売・ヨガ教室など5店が入居している。
  • リノベーションのコンセプトと事業概要を決定後、下記の手順で事業を進めた。

    リノベーションの手順

2)「ままま勝川」コミュニティ再開発事業

2つ目の取組みとして、相続のため売却が予定されていた商店街中心部の更地165坪を地域の交流拠点スペースとして再開発した事業が紹介されました。

  • 平成28年2月末開業の「ままま勝川」の「ま」は、時間をつなぐ「間」、地域をつなぐ「間」、世代をつなぐ「間」などたくさんの間をつなげたいと名づけた。
  • 地元オーナーに勝川の目指す方向性と開発プロジェクトの趣旨を説明し、賛同いただいたので、一般より有利な条件で取得することができた。その後、出店者向け説明会を開催し、地元の若いファミリー世代が必要とする店舗を集めた。
  • 管理運営業務を行う別会社として、平成27年に勝川エリアアセットマネジメント株式会社(以下、「勝川アセットマネジメント」を設立し、建物の管理業務を任せている。
    入居店舗スウィーツ(商店街の人気店を移設、カフェ併設)、鉄板バル(スペイン料理レストラン)、
    ペットトリマー、エステ、美容院、占い、学習塾、貸ギャラリー、貸しホール(会議室)
3)逆算開発

勝川商業開発では、テナントとして欲しい業種を想定して店舗面積と賃料を出し、管理費・利益を上乗せし、建築費を算出する下記のような「逆算開発」で収支を試算しています。投入可能な建築費を算出し、建物の構造や内装を見直して建築コストを抑え、安定経営を図っています。

「逆算開発」

質疑応答

水野氏の講演に続き、企画段階から一緒にまちづくりに参加し、施工を担当したカワイ建築の河合氏から、リノベーション計画からテナント探し、設計施工、オープンするまでの具体的なプロセスについて説明がありました。

質疑応答では、水野、河合両氏に対して、次のような質疑応答がありました。

質問
家賃の相場と実際の家賃はどのくらい違うのか?
回答
TANEYAは払える家賃をもとに場所割りした。広いスペースを貸しても一部スペースをシェアしたり、使わないときに時間貸ししたりする条件で安くしている。テナントにとっては、商店街の坪単価より安く借りれるが、建物全体で必要な家賃を確保している。
質問
勝川アセットマネジメントとの役割分担は?
回答
勝川商業開発が物件を取得し、勝川アセットマネジメントが管理・運営を行う。勝川アセットマネジメントは、ままま勝川だけでなく、地元の地権者組合が持っている会議室の運営や、商店街の空き地、空きテナントの管理・運営・入居者集めも行っている。
質問
施主さんの希望する形と逆算した建築費で工務店のできる形に差がある場合、どのように妥協するのか?
回答
建築費が上がると家賃に跳ね返るので、材料変更や仕様変更で解決している。

(2)「ままま勝川」現地見学

ままま勝川

その後、「ままま勝川」を見学しました。全館オープンは、3週間後の平成28年3月末の予定でしたが、当日は人気のスウィーツ店の開店日であったため、朝から行列ができていました。

建物はシンプルな構造で建築費を抑えています。U型に配置された建物に囲まれた中庭部分も今後、オープンスペースとして貸出しする予定で、カフェやギャラリースペースと一緒にパーティやイベントを開催できます。子育て世代のために学童施設の誘致を試みましたが、適切な事業者がなく、最終的に学習塾が入居しました。幼児から中学生以上までの学年を超えて学ぶスタイルの塾で、すでに多くの子供たちが通っています。

(3)グループ討議

会場に戻り、3つのグループに分かれ、下記の3テーマで討議と発表が行われました。

グループ討議

グループA 「タウンマネージャーの役割について」
  • タウンマネージャーの役割は、環境や条件により一人一人違うので定義は難しい。きちんと地域に軸足をおいて活動し、認められていかなければならない。
  • 実務担当としてお金を稼げるか、まちに入り込んで持続的に仕事ができるかどうかが大事ではないか。
グループB 「民間まちづくり会社による事業について」
  • 民間と言っても公共の資金がはいっていると行政の方針に左右され、また、他の市の仕事がとりにくいといことがある。民間と役所の得意なところをやるといい。
  • 利益を追求しなければならないが、お金を稼いだとしてもまちに還元してまちが繁栄すればいい。
グループC 「公共空間・広場の活用について」
  • イベントができる人を育てることが重要。
  • 社会実験をしながら使う人に検証してもらい、広場を使いやすくするルールを決めるといい。
  • 補助金頼りではなく、広場でイベントをしながらお金を稼ぐ仕組みを作ることが重要ではないか。

その後、中部経済産業局から「商業関連支援施策」の概要説明があり、今回の交流会は終了しました。

関連リンク

ページの先頭へ

 
戻る