第19回近畿中心市街地活性化ネットワーク研究会〈大阪市〉
(近畿ブロック中心市街地活性化協議会交流会)

日時 平成26年10月29日(水) 14:00〜17:30
場所 中小機構近畿本部セミナールームA・B
主催 近畿中心市街地活性化ネットワーク研究会、中小機構近畿本部、
中心市街地活性化協議会支援センター
交流会次第 [第1部]
 14:00     開会
 14:05〜14:50 【講演】
        “まちの風景をつくりたい不動産屋”
          〜水辺のまち再生プロジェクトの事例等を通して〜
              合資会社マットシティ代表社員
              みんなの不動産/水辺不動産主宰
                  末村  巧 氏
 14:50〜15:10 【報告】
        “旧い家に風を通すということ”
          〜長浜の3件のプロジェクト事例等を通して〜
              長浜まちづくり株式会社プランナー
                  竹村 光雄 氏
 15:10〜15:30 【質疑】

[第2部]
 15:45〜16:30 【セッション】
        “まちなかモッタイナイ物件の使い方”
          〜各地域の写真・物件情報を見ながら意見交換〜
          〜“末村さんのアドバイス”を参考にして〜
 16:30〜17:10 【対談&セッション】
         <末村氏 & 竹村氏>
        “不動産屋のお仕事とまちづくり会社のお仕事”
          〜末村さんの取組と長浜の取組の共通点〜
          〜まちづくり会社に出来ること・・・〜
 17:10〜17:30  各地域からのお知らせ・近畿経済産業局からのお知らせ・その他
 17:30      閉会
参加者数 47名
協議会数 13協議会

交流会概要

第1部
交流会の様子

 まず、合資会社マットシティ代表社員の末村巧氏から、水辺のまち再生プロジェクトの事例等を通して、これまで取組まれた活動について講演が行われました。
 講演概要は、次のとおりです。

  • バブル後、都心回帰が始まり、現在、まちを「作ること」から「使うこと」へ、「モノ」から「コト」へと移行してきている。
  • まちで新しい「コト」が興る時、いつの時代も若者のエネルギーがそれを担っており、小さなビルがその「場」を供給する役割を果たしている。
  • 古いビルは、建築法規の改正により、今では実現不可能な動線計画や階段の形状のものがあり、照明や郵便受け等も含め、新築では出せない雰囲気を持っている。
  • 「みんなの不動産」では、「セカンドサイクル、ちょっと待って、捨てるのもったいないモノまで捨ててない!?グッドデザインは再利用しよう!」をテーマに、各地水辺エリアのリノベーションに取組んでいる。
  • また、イベント等のソフト事業も行い、全体として「いつもこうあって欲しい。」という風景をつくるストックリノベーターとして各事業を推進している。

 引き続き、長浜まちづくり(株)プランナーの竹村光雄氏から、空き町屋を住宅として再生した取組について、次のとおり事例報告が行われました。

  • 長浜市中心部は、黒壁をはじめとする30年に及ぶ商業機能の導入により、遠方の方も多数訪れるまちに変貌した。しかし、ひとつ隣の通りに入ると、空き町屋が増加しており、このような物件は、ほとんど不動産市場に出てきていない。
  • 住む人がいないため、通りの活性化のための人材や企画力の空洞化が進んでおり、自ら地域の魅力を生み出していくことができなくなっている。
  • そこで、長浜まちづくり(株)は、空き町屋を住宅として再生することに取り組み、これを以下の3つのモデルに類型化し、実施している。
    1. まちづくり会社がオーナーから空き町屋を賃借し、空き町屋のマネジメントを行い居住者に転貸する。そして、居住者は本人負担で改修する。
    2. オーナーがまちづくり会社とプランニングの協議を行い、オーナー負担で改修し、居住者に賃貸する。(まちづくり会社は、賃貸借の関係に入っていない。)
    3. 空き町屋が大きな場合、まちづくり会社がオーナーから空き町屋を賃借し、空き町屋のプランニングを行うとともに改修とマネジメントを行い、複数の居住者に転貸する。

 この後、末村氏の講演、竹村氏の事例報告に対し、次のとおり質疑応答がありました。

質問 現在の耐震基準に合わせるための改修経費負担が大きいと聞いているが、実際はどうなのか。
回答(末村氏)  集合住宅、事務所の場合、あまり経費負担が膨大になることは無い。工事の工夫で負担を抑えることもできる。
質問  大型空き町屋の改修経費と家賃設定はどのくらいか。
回答(竹村氏)  行政からの支援もあり2桁の投資利回りになっている。
第2部
セッション

 参加者から提供された2軒の空き物件について、投影された写真を見ながら、末村氏、竹村氏の助言を交え、質問、意見、活用策が出されました。

物件1

 築40年の鉄筋5階建て、建坪は50坪弱。エレベーターはあるが故障中。専用駐車場はない。立地は、商店街中央部の角地。賃料は相場だが古いためテナントが決まらない。オーナーはオフィスか住居を希望。 現在の状況は、2・3階をテナント募集しており、1階は交流スペースとして活用中、4・5階は貸し室として営業中。

意見・活用策
・若い人に入居してもらう場合、どこまで改修費を負担できるかがポイントとなる。
・立地環境と2・3階ということから考えると宿泊スペースとして活用するのが良いのではないか。

物件2

 築80年の2階建て古民家で登録有形文化財。屋敷は、母屋、長屋、土蔵、離れ座敷、日本庭園で構成され、全体の面積は約1,000u。全体の賃貸、建物と日本庭園の維持管理、質の高い店舗の誘致が条件。周辺に歴史的建造物(複数)、酒造会社がある。

意見・活用策
・文化財指定されていると、どの範囲まで改修でき利用できるのか、確認しておくことが必要。
・大きな物件なので改修経費負担やテナント業種構成の困難さも感じられ、1棟貸しの宿泊施設、シェアハウスとして活用すると良いのではないか。

この後、末村氏、竹村氏と参加者によるセッションとなり、参加者の地元でのノウハウの紹介等活発な情報交流が行われました。
 ○活用に対する地権者の同意を得るポイントとして、以下のノウハウを活用している。
   ・空き物件の活用に対して「社会貢献」の意義を説明する。
   ・10年後には返却する等、はっきりと期限を明示する。
   ・自治体からの補助がある場合、具体的金額を明示する。
 ○活用の決断については、地権者だけでなく実際は自治会長の同意がカギを握っている場合がある。
 ○古い建物は資産としての評価はゼロに近くても、文化財的価値が大きい場合がある。これからは、この視点が重要。

 最後に、近畿経済産業局流通・サービス産業課東野慶子氏から、中心市街地再興戦略事業費補助金等の情報提供が行われ、本研究会は終了しました。

戻る