平成26年度中心市街地活性化協議会 関東ブロック交流会(静岡市清水地区)

日時 平成26年8月22日(金)13:10〜17:50
場所 清水テルサ(静岡県静岡市清水区島崎町223)
主催 中小機構関東本部、中心市街地活性化協議会支援センター
「まちづくりのための資源活用、個別事業の抽出」
交流会次第 13:10〜15:30 取組報告 静岡市(清水地区)の取組状況について
        静岡市経済局商工部商業労政課
         現地見学
15:30〜17:00 グループ討議
        「まちづくりのための資源活用、個別事業の抽出」
17:00〜17:30 グループ討議の結果報告
17:30〜17:45 関係機関からの情報提供 関東経済産業局産業部
         流通・サービス産業課商業振興室
参加者数 78名
協議会数 16地域(その他 協議会設立準備中8地域)

交流会概要

1.取組報告
まちなか見学

 まず、静岡市から静岡市中心市街地活性化基本計画(以下「基本計画」)によるJR清水駅周辺の再開発事業の概要について、次の通り説明がありました。

 静岡市は行政上の合併により、商都静岡と港都清水の2つの異なる機能を持つ地区が一つになりました。それぞれの中心市街地で基本計画事業を行い、市全体の活性化を図ろうとしています。

 清水地区は、「清水の次郎長」、Jリーグの清水エスパルスの本拠地、アニメの「ちびまる子ちゃん」の舞台として全国に知られています。これらの地域資源を活かし、平成21年3月から平成26年3月まで第1期基本計画事業が実施されました。

 JR清水駅の東側には魚市場や港湾施設があり、西側は商業地域が広がっています。魚市場から2qほど南にある清水マリンパークは、ヨットハーバーやホテル・イベント広場がそろった海洋リゾート公園です。海沿いの道は富士山と清水港が眺められるきれいなエリアですが、再開発前は観光資源として活かされず、鉄道の貨物ヤードで分断されていました。

 そこで、まず基本計画に揚げられた目標の一つ「暮らしたくなるみなとまち」づくりとして、清水駅東側に文化施設「マリナート」、市直営の勤労福祉センター「清水テルサ」およびイベント広場などを整備しました。また、清水駅西側には大型の商業・住宅ビルを複数整備し、まちなか居住と商業施設による活性化を促しました。次に、2つめの目標「にぎわいあふれるみなとまち」づくりとして、従来の魚市場の隣接地に観光客・地元客向けの魚市場と飲食店の複合施設「河岸の市」を整備するとともに、清水マリーナ周辺に遊園地「エスパルスドリームプラザ」を誘致しました。その結果、清水駅周辺は商業地の利便性と観光・文化施設がそろったエリアとして、まちの魅力が高まり、集合住宅や文化・商業施設に人が集まり始めました。さらに、3つ目の目標「魅力がつながるみなとまち」づくりで、まちなか巡回バスや観光地を回る周遊バスが運行され、これまで点在していた観光資源が、バスや徒歩の観光ルートでつながり、人の流れが大きく変わりました。

 その他にも、清水出身のさくらももこさんの「ちびまる子ちゃん」を活かして商店街・文化施設と観光地をつなぐ周遊キャラクターバス運行やスタンプラリーなどのイベントを行っています。

 このように、ハード面の整備が進み、一定の効果を上げることができました。しかし、基本計画終了時の数値は、1.居住人口、2.観光交流客数、3.歩行者通行量のいずれも目標に一歩及ばない状況です。住宅整備で居住人口が増加し、イベントによっては歩行量が大幅に増加するものの、どのようなソフト事業を実施することで継続的に活性化を図っていくかが今後の課題として挙げられました。

2.現地見学

 4つのグループに分かれ、静岡市の案内で近隣の1.「マリナート」2.「河岸の市」3.清水駅前銀座商店街「まちかどギャラリー」「思い出上映会(空き店舗対策)」4.「清水駅・東西自由通路」などを順に見学しました。



中心市街地エリア


 「マリナート」では、設計段階から通路や設備を多目的に使えるように設計し、稼働率を上げる工夫をしていることや、清水市出身の落語家・春風亭昇太氏がプロデュースする「清水にぎわい落語祭り」で「マリナート」に加えて商店街や観光拠点で高座を設け、地域のお祭りとして回遊を促していること等が紹介されました。



中心市街地エリア


 続いて、清水駅前銀座商店街では、若手のまちづくり組合による空き店舗対策事業「まちかどギャラリー」「思い出上映館」、商店街で実施しているレンタサイクル事業などを見学しました。さらに、清水駅の東西自由通路から、清水駅周辺の再開発エリアを見学しました。

3.グループ討議・結果報告
全体風景

 会場に戻り、「まちづくりのための資源活用、個別事業の抽出」をテーマに、5グループに分かれ、ファシリテータの進行で活発なグループ討議を行いました。その後、各グループの代表者が討議内容を次の通り、発表しました。

グループ1

  • イベントを商店街の誰がやるのか、行政の誰がやるのか、実行できる人を育てることが最優先ではないか。
  • 事業展開には他の人がやっていないことをやるという発想の転換が必要だ。

グループ2

  • 多目的ホールを作ったが利用者を増やすことが難しい。イベントが行政主導で集客など数値に結びつかない。
  • 地域資源を活用できておらず、地域をブランド化することが難しい。

グループ3

  • 個別事業を考えるのに何が必要かを検討するため、まず、実施している事業をリストアップした後、うまくいっている事業、うまくいない事業に分け、うまくいっていない理由をヒト・モノ・カネの3つで分類してどうすべきかを検討した。

グループ4

  • 個別事業の案が出にくい理由として、物流システムの変化、駅前の土地利用の変化、地権者との関係、若手事業者がいないことなどがあげられる。
  • 清水駅前銀座商店街で、商店街関係者以外の次世代の若手と意見交換しながら、空き店舗対策や有料の創業塾で人材育成している事例が参考になった。

グループ5

  • 新事業を考えるより、新しい担い手を発掘する方法が必要ではないか。
  • 再開発や空き店舗対策では、空き家に入れる前に創業塾を行い、人を育て何を行うかを一緒に考える飯田の事例が参考になる。
  • 清水地区では、コスプレイベントで来街者の滞在時間が増えたが、集客だけでなく滞在時間を増やすという視点が新しい。

最後に次の通り、討議の共通点を出して、まとめとしました。

1.アイディア
独自性のある斬新なアイディアを出すには、既成概念にこだわらず、発想の転換が必要。
2.担い手
商業者かどうかを問わず新しい担い手をどう巻き込むかが課題。人を育てる・やりたい人を引っ張り出す仕組みを作ることが求められる。
3.しくみ
これまでと違うしくみを考える。予算が無いなら販売を前提としてマップ作りをするなど工夫する。個別の事業で採算が取れないなら、複数の事業を連ねることで事業化する方法もある。
4.関係機関からの情報提供

 関東経済産業局 流通・サービス産業課 商業振興室から、「中心市街地活性化法関係法令の改正及び支援策の概要について」等について情報提供がありました。

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