まちづくり会社訪問

特定非営利活動法人ふるさと

特定非営利活動法人ふるさとの概要
理事長: 黒岩伸雄
所在地: 長野県上水内郡信州新町大字新町31-2 (信州新町商工会内)
電話: 026-262-2054(中澤勇人:中澤薬局内)
FAX: 026-262-3186
事業内容

冠婚葬祭事業(通夜ぶるまい、告別式、お斎、法事、結婚式他)
各種パーティの請負(忘新年会、懇親会、送別会、歓迎会、祝賀会他)
式典他イベントプロデュース(国土交通省開所式等落札実績あり)

活用している地域資源

町中心地にあるアクアホール(役場跡地)、商店街の商品、料理
地域の人材(主婦の応援部隊等)、技術(廃業店の復活、花輪等)
地域の菩提寺、公会堂、公民館等。

所在地域について

信州新町の人口(H21.4.1現在)世帯数2,153戸 人口5,362人(前月比-20人)

JR長野駅前からバスに乗って西(R19を松本方面)に約40分。信州新町商店街は犀川の中流(佐藤春夫が浪鶴湖と命名)に広がる谷あいにあります。美術館、化石館とジンギスカン料理が名物のアート&グルメの町です。


長野と松本の中間地として繁栄し往事には人口も1万4千人を超えていましたが、過疎化が進み平成21年4月現在では人口5,362人。商店数も昭和57年の148店舗から平成16年には89店舗に減少してしまい(H21年3月現在70店舗)商店街の後継者も少なく年々空き店舗も増加して町の活気が減少していました。

設立までの流れ
想い醸成期

2001年(平成13年)9月頃〜
活力ある地域づくりと、人と人との喜びや悲しみの橋渡しをしてみたい。

共同学習期

朝市の会 
2002年(平成14年)1月頃〜賛同する仲間が集まる。


当時、商店街の復活を目指す有志が集まり、地元スーパーの駐車場を利用して月1回「朝市の会」を開催していました。朝市が終った後の反省会(という名の飲み会)においていろいろな意見が出され、今回の事業の取り組みが始まりました。
商工会を通じ中小企業事業団(現中小機構)のアドバイザー派遣事業の活用や町、タウンマネージャーに相談して支援方策を模索。

社会的実験期

セレモニーふるさと(当時は任意団体)

2002年(平成14年)5月〜小中学校の歓迎会等パーティを請負、経験を積む。
9月頃仲間の親御さんの死去により初めて葬儀を執り行う。

事業展開期

特定非営利活動法人ふるさと

その後事業が軌道に乗るに従い任意団体のままでは責任の所在が不明確、銀行口座、代表者も個人名義、契約も個人名義と、不都合が生じてきました。そこで法人化することにしますが、それに当たっては「コミュニティを強化しよう」「商店街を復活させよう」「文化、しきたりを子供たちに継承しよう」という公益性の高い活動趣旨をふまえ、特定非営利活動法人という形態を選びました。
お客様に育てていただきながら歩んできた2004年(平成16年)1月21日NPO法人化。現在に至ります。


現在ふるさとでは年間50〜60の葬祭を支援しているほか、公共団体、PTAの式典等のイベントの支援をしていますが、H20年度地元商店街からの仕入額は7980万円に上がります。それだけの消費を地元商店街に繋ぎ止め、あるいは取り戻したともいえると思います。


売上規模:平成20年度実績1億8百万円

2009年(平成21年)4月水防会館(アクアホール)の指定管理者になる。

ふるさとの理念
  • 地域社会(コミュニティ)の強化・商店街の復活(地域の者、物、モノを使う)
  • 伝統(しきたり)の継承・人材の育成、活用
  • 新商品の開発等
顧客との関係性と事業背景

昔は地元のお寺や自宅で行っていた葬儀が地域の高齢化や生活様式の変化、式を取り仕切る年長者がいなくなったなどの他、JAの合併により地元では行われなくなり専門の業者に委託して長野市内まで出向かなければならなくなっていました。これが町内での消費を流出させている原因の一つと考えられていました。


地元で冠婚葬祭が行われた時代は商店街の品物(仕出し、引き物、生花、菓子等)が調達されていましたが、これらが減少することにより、結果として地元商店街での消費が落ち込み、町全体の活力が減少してきたと考えました。解決するためには自分たちで冠婚葬祭を仕切るしかないとメンバーの奮闘が始まったのです。


こうしたさまざまな活動の結果、現在では町で実施される冠婚葬祭の約6割を請負、仕入れ金額の100%が地元仕入れになっています。
地域の人々には葬祭の費用が安くでき、自宅に近い場所で行えるというメリットもあり、親しみのもてる葬儀として好評です。

同級生が亡くなっても会場が長野市内ということになると、足腰の弱ったお年寄りにとっては参列も難儀。それが町内で執り行われるようになるとお年よりも参列しやすくなります。ふるさとが活動するようになってから参列者も以前よりは増えたと思われます。

事業の特徴

葬祭のしきたりには、地域ごとの特徴があります。その伝統を重んじながら、葬祭を執り行うのもふるさとの活動の特徴です。儀式の中でしかるべき年長者に役割を与えるなど、よき伝統に則した進行を行います。

加えて、手作りの葬祭が行えるのも特徴で、弔辞を読む人がいなければ、故人のお孫さんたちに祭壇に並んでもらい、お別れと感謝の言葉を述べてもらうなど状況に応じた進行をします。


身近な場所で葬儀が行われることにより、子供たちにとっては、現実の死を学ぶ機会も与えられます。地域の寺院には子供たちに祖父母の遺体に触れさせることにより、死の意味を教える住職もいます。
これらを通じ、葬祭が本来あるべき身近で心の通ったものになりました。
地域の伝統に根ざしつつ、質の高いサービスの提供に心がけるのが、ふるさとの特徴です。


またご利用いただいた方と後日の会話ができるため、感想、苦情等をダイレクトにキャッチし次回のコーディネートに反映させることができる。
注文を受けたメンバーがその催事の指揮官になるシステムなので責任の所在がはっきりしているなどがあります。

今後の展開
高齢者向け宅配サービス、シルバー人材の有効活用

町内の高齢者向けの自宅宅配サービスを検討しています。このサービスは、高齢者世帯に弁当・食事などを宅配するとともに、それに合わせて御用聞きをし、下着や衣料、お菓子、生活用品など、お年寄りからの依頼があったものを町内の商店街から調達し届けるものです。このサービスには、町内の元気な高齢者や障害を持つ人にも従事してもらい、生きがいづくりや助け合いの促進に寄与することも狙います。


当面は、現在提供している冠婚葬祭事業の支援サービスに注力している状況ですが、こうした公益性のあるサービスをより幅広く展開することによりNPOの特製を活かした事業を発展していきたいと思っています。

その他

H17年9月厚生労働省認定の民間資格である「葬祭ディレクター技能試験2級」に2名合格して以来、現在は9名全員が合格。技能向上に取り組んでいます。


ふるさとの活動は結果的にはコミュニティビジネスに属する活動を行っていることから、県内外でコミュニティビジネスを行っている団体と交流、情報収集にも努めています。
H15/3/17  コミュニティビジネスシンポジウム(長野県庁)
H18/2/4,5 コミュティビジネス全国サミットinあいちに参加し、自らの活動を紹介するとともに全国の団体と交流。

H20年度 取材

※NHKテレビ 「ほっとモーニング」 (H21/3/11 放送)
「シリーズ不況ニッポンを元気に 街の顔生き残り大作戦」
※千葉大学准教授様 ※北海学園准教授様 ※福井県美浜町町議様
※NBSテレビスーパーニュース(H21/6/8 放送)
※野沢温泉村商工会様、麻績商工会様 ※鹿児島より個人的に 
※豊科より個人的に  他多数

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