まちづくり会社訪問

まちづくり福井株式会社

取り組みのポイント
  • 福井市は平成25年4月から第2期中心市街地活性化基本計画を推進中
  • まちづくり福井ではまちあるきマップの作成やポータルサイトの運用、コミュニティバスの運営等のさまざまな事業を展開
  • 今年度、都市再生整備推進法人の指定を受け、公共空間の活用を実施。オープンカフェの設置や新たなイベント「まちフェス」を立ち上げた
1.会社概要
会社名: まちづくり福井株式会社(http://www.ftmo.co.jp/
所在地: 福井市中央1丁目4番13号 響のホール6階
設立日: 平成12年2月23日
資本金:58,750千円
従業員: 8名

2.まちの概要
位置・人口

 福井県の県庁所在地である福井市は、福井県の北部に位置する、面積536ku、人口約268,000人(2013年9月現在)の特例市です。

交通アクセス

 JR福井駅には北陸本線、越美北線(九頭竜線)が結節し、また街なかを軌道線が走る福井鉄道や、えちぜん鉄道の勝山永平寺線、三国芦原線が乗り入れるなど交通の結節点となっています。主要道路としては、北陸自動車道(福井IC、福井北IC)、国道8号線福井バイパスが南北に走り、大野市を経由して岐阜へ抜ける国道158号線が東へ走ります。
 2014年度末に長野−金沢間が開通予定の北陸新幹線は、金沢から敦賀までの延伸が決まり、2025年ごろの開業が予定されています。

まちの特色

 福井市は、1945年7月から1948年9月の短期間に、空襲・地震・九頭竜川の決壊と3度にわたる壊滅的な被害を受けましたが、そこからみごとに復興し、不死鳥のまち宣言をしています。福井市の中心市街地を縦貫する旧国道8号線も公募により「フェニックス通り」と名付けられています。
 市内中心部を流れる足羽川の堤防上は河川敷として日本最長の桜並木となっており、春には花見客で大変賑わいます。足羽川右岸沿い、幸橋から九十九橋まで東西に細く広がるエリアは、江戸時代には水運の拠点地として、明治以降は高級料亭街として栄えた場所で、通称「浜町」地区と呼ばれ、歴史的風情のある町並みが残り、市の都市景観形成地区に指定されて石畳などの整備が進められています。また、ふくい春まつりに合わせて開催されるイベント「こみちこまち浜町」においては、桜並木のライトアップや町並みを行燈で照らす演出、老舗料亭の食と福井の歴史を楽しむ「食談会」などが催されます。



まちづくり福井
3.まちづくり会社の取組
(1)まちづくり福井の設立

 中心市街地の活性化のための事業等を官民挙げて実施していくために、平成11年12月に設立準備委員会が設置され、福井市、福井商工会議所、商店街の代表者等による会社設立に向けた協議を開始、平成12年の2月に設立となりました。

(2)まちづくり福井の事業概要


a.まちづくりに係る調査研究事業

 まちづくり福井は福井商工会議所とともに、福井市中心市街地活性化協議会の中心的な役割を担っており、協議会への参画のほか、まちづくり懇談会や中心市街地連携推進会議・中心市街地活性化セミナーの開催や、歩行者通行量やバス利用、購買動向などの各種まちなかの動向を把握する調査を実施しています。

b.コミュニティバス事業

すまいるバス

中心市街地への来街手段を提供し、集客力を向上させるため、コミュニティバス「すまいる」を運行しています。運賃100円で東・西・南・北の4ルートを走り、バスの現在位置をパソコンや携帯電話などで確認できるサービスも行っています(http://smile.ftmo.co.jp/)。昨年までに利用者数600万人を達成し、記念のイベントや割引キャンペーンなども行われました。

c.中心市街地チャレンジ開業支援事業

空き店舗への出店者に対しての家賃や開業経費を補助する事業も行っています。これは、JR福井駅周辺の空き店舗を意欲ある若者に新規創業の促進を図る場として提供したり、空き店舗への出店者に家賃補助などを実施したりすることによって、商店街の空き店舗を減らし、商業の活性化と賑わいの創出を図るものです。昨年度は対象者への支援の結果、14店舗が新規にオープンしました。

d.サイト・情報発信

ポータルサイト「アソビねっ(http://www.asobine.com/)」、まちなか総合情報誌「COM×COM」、アンドロイドアプリ「福井まちなかガイド」、まちなかガイドマップなどの作成を行っています。

e.電子マネーICカード事業

中心市街地への来街や買い物において利便性を高めるため、電子マネー機能を搭載したICカード、ICOUSA(イコウサ:福井弁で「行きましょう」)を発行しています。このカードでコミュニティバス「すまいる」全4ルートも利用することが出来ます。周年キャンペーンを行うなどで利用者を増やし、相乗効果で加盟店舗を増やすことが求められています。

f.その他の事業


フェニックス通り

まちづくり福井では、前述の事業以外にも、

  • まちの担い手プロジェクト事業
  • 中心市街地活性化のワークショップ企画・運営
  • 「響のホール」運営事業
  • クリスマスツリー&イルミネーション設置事業
  • ふくいえきまえ音楽祭
  • まちゼミ「ふくいまちなか店舗体験ゼミナール」
  • まちバルイベント「食べてみナイト」

などの事業を精力的に行っています。



4.都市再生整備推進法人(都市再生法人)の指定制度と概要

 まちづくり福井は平成25年4月18日に、都市再生特別措置法第73条の規定による都市再生整備推進法人の指定を受けました。都市再生整備推進法人制度とは、官民連携のまちづくりにおいて、まちづくりに関する豊富な情報・ノウハウを有し、運営体制・人材等が整っているまちづくり団体に対して公的な位置づけを与え、あわせて支援措置を講ずることにより、市町村や民間デベロッパー等では十分に果たすことが出来ない、まちづくりのコーディネート及びまちづくり活動の推進主体としての役割を果たすことを期待するものです。

具体的には、広場や道路の整備を地権者間で公的にルール化する協定制度に参画したり、従来はイベント開催時に限定されていたオープンカフェを常設するなどできるようになります。

まちフェス〜街なか繋がるストリート〜 の開催

今年度より、6月、7月、9月、10月の第1日曜日に、ガレリア元町入口から大名町交差点までの駅前電車通りを歩行者天国にしたイベントを開催しています。音楽ステージのほか、ご当地グルメ、県産野菜、手作り雑貨などのテントが並びます。また県・市道の歩道を使ったオープンカフェや、まちなかにベンチを増やそうというベンチプロジェクトのワークショップ(参加した子供たちが木製ベンチに絵付け)も開かれ、まちなかの利便性・快適性を高めています。

歩行者天国エリアの拡大や、県立美術館での展覧会とのコラボレーション、会場へ直接アクセスできるように仮設の電停を設けるなど、回を重ねるごとにますますパワーアップしているようです。 このイベントは、都市再生法人の指定を受けたまちづくり福井と福井市が、福井駅西口再開発事業の工事のため利用できなくなった西口広場に代わるスペースとして電車通りの活用を企画し、再開発ビル完成に向けてまちなかの賑わい創出のために開催しているものです。



まちフェスの様子
5.今後の展望・課題

 福井市においては「県都デザイン戦略」が策定されるとともに、福井駅西口再開発事業が本格的に始動し、現在鋭意工事中となっています。この再開発ビルは延べ床面積が約3万2000平方メートル、地上21階、地下2階建てで商業施設、多目的ホール、住宅、プラネタリウムが入る予定で、中心市街地活性化で一番重要なプロジェクトであると期待されています。隣接して全天候型の屋根付き広場も併設されます。また、えちぜん鉄道三国芦原線のLRT化と福井鉄道への相互乗り入れ、福井鉄道福井駅前線の西口交通広場までの延伸など中心市街地内でのハード整備が欠かせません。


6.取材を終えて

 9月に開催された「まちフェス」の様子を取材してきました。当日はあいにくの雨でしたが、多くの家族連れや若者が街なかに集まっていました。また9月下旬には「まちゼミ(ふくいまちなか店舗体験ゼミナール)」も開催されます。街なかでのイベントが定期的に、かつ継続して開催されることで、人の意識が中心市街地に集まることと思いますので、今後も様々な取り組みを続けて欲しいと思います。

まちづくり福井の方へお話をお伺いしたところ、「まちづくり福井には、2018年の福井国体や2015年春の北陸新幹線長野−金沢間開通を間近に控え、福井市駅前の“個性強化”や活性化に向けた民間シーズの掘り起こし・事業化に、商店街・地権者と共に取り組むことに期待が寄せられています」とのことでした。

スタートしたばかりの第2期中心市街地活性化基本計画ですが、行政や経済界と市民団体・商業者などとの間をつなぐ位置にいるまちづくり福井の担う役割は大きいものと思いますので、今後のますますの活躍を期待しております。



取材年月:平成25年9月

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