まちづくり会社訪問

まちづくりAnjo

取り組みのポイント
  • 市民団体、商店街組合など多様な組織を連携させ、市民と商業者によるまちづくりに向け、タウンマネージメント機関としての役割を果たしている。
  • まちなか産直市、サンクスフェスティバルなどのイベントを通してまちなかの賑わい創出を誘発するとともに、商業者、市民のまちづくりへの参画意識の醸成を図っている。
1.まちづくりAnjoの概要
安城市まちなかマップ
会社名: まちづくりAnjo
所在地: 愛知県安城市
設立日: 平成13年7月
主な
構成員:
安城市
安城商工会議所
安城市商店街連盟
町内会連合会
安城市社会福祉協議会
安城学園
安城まちづくり市民会議
従業員: 4名
(事務局長
安城商工会議所
安城市企画政策課
安城市商工課)

2.まちの概要
位置・人口
駅前セントラル商店街

安城市は、愛知県のほぼ中央、名古屋市の東南30kmに位置する人口約18万人の都市。

交通アクセス

名古屋市とはJR線、名鉄線で結ばれ、JR安城駅から名古屋駅までは快速電車で約20分の距離にあります。

まちの特色

明治後期から戦前においては、日本の農業先進モデル地区として、「日本のデンマーク」と呼ばれていました。戦後は、自動車関連工場が多く進出するとともに、名古屋市のベッドタウンとして急速に都市化が進んできました。


3.中心市街地の現状
現状と課題

 昭和45年より安城駅前の土地区画整理事業が開始され、同時に駅前地区に大型店の進出が進み、これまで賑わいを見せていた駅周辺の中心市街地商店街は大きな影響を受けました。

 さらに、平成8年以降、市郊外に売場面積15,000uを超える大型店が相次いで進出。駅周辺にあった大型店は撤退を余儀なくされ、中心市街地商店街の衰退が顕著になっていきました。

主な活性化策

 こうした状況に危機感を持った中心市街地商店街では、平成8年に、行政、商工会議所とともに、「安城市中心市街地活性化対策協議会」を設立。その後、中心市街地の課題に対応するためには、多くの関係者や団体が主体的な意識をもち、それぞれの活動や知見を有機的に連携させていくことが必要と考え、同協議会のメンバーが中心となってTMO機関「まちづくりAnjo」の設立に取組んでいきます。

 平成13年、「まちづくりAnjo」は、中心市街地の活性化を担う中核機関として設立され、商業者も市民も行政も参画したまちの活性化に向けて、他地区のまちづくり先進事例を積極的に取り入れながら、様々な活性化事業を展開していきます。

4.まちづくりAnjoの概要
「まちづくりAnjo」組織図

 「まちづくりAnjo」は、官民のパートナーシップのもと17の団体等で構成され、構成団体相互の連絡・連携を図り、まちづくりに関する情報・意見の交換を行い、タウンマネジメント機関としての役割を担っています。

安城七夕祭り



 各構成団体代表が集まる「全体会議」を年3回、構成団体の各担当者による具体的な施策内容を話し合う「委員会」を随時開催しています。主な委員会は次のとおりです。「サンクスフェスティバル事業調整委員会」、「交流広場活用検討委員会」「産直市準備委員会」など。

5.まちづくりAnjoの取組み

「まちづくりAnjo」の主な取組みは、次の通りです。これらの他にも、各種調査事業の実施など幅広い活動を行っています。

(1)安城サンクスフェスティバル
安城サンクスフェスティバル

 人出が100万人を超える安城七夕祭りと並び、安城を代表するイベントが平成10年からスタートした「安城サンクスフェスティバル」です。  「まちづくりAnjo」が主催し、商店街組合、市民団体や地元高校など約30団体と連携をとり、”安城がこんなまちだったらいいね”をスローガンに、みんなが望んでいる“まちの姿”を、まちなかに実現してみようという試みです。

 安城駅前と各商店街に設けられた特設会場を中心として、まちなか一帯が開催会場となります。各会場では幼稚園、小中高校のマーチングバンド演奏、鼓笛隊演奏、チアダンス、逸品スタンプラリーなどが催され、約2万人の市民で終日賑わいます。

 「まちづくりAnjo」では、安城七夕祭りのように市外から多くの観光客が来場してくれることを期待していません。このイベントは市民のもの。市民が数々の手作りイベントを楽しみ、「今日みたいにみんなでちょっとがんばれば安城はこんな楽しいまちになるんだ」というまちづくりへの手ごたえを感じてくれればとの想いで開催を続けています。


(2)まちの教室
「まちの教室」の模様

 「まちづくりAnjo」では「まちの教室」事業を支援しています。

” お店は「まちの教室」、お店の人は「まちの先生」”。

 商店主が講師となり、専門店ならではのとっておきのワザや知識をお客さんに伝え、お店や商店街のことをもっと知ってもらい、ファンを増やしてもらうのが「まちの教室」です。

 呉服店による「失敗しない着物の手入れ方法」、米穀店の「新米のおいしい炊き方」、宝石店の「上質パールの見極め講座」などアイデアに富んだ楽しみな企画が目白押しです。

 今年で5年目を迎え、約20店舗が参加し30講座以上が開かれています。プロならではのノウハウや豆知識が得られると、多くの参加者から好評を博しています。


(3)まちなか産直市
新鮮野菜の「まちなか産直市」会場

 まちなか産直市は、「まちづくりAnjo」が仕掛け、平成18年にスタートしました。当初は商店街の一角、金融機関の駐車場1会場で行われていました。この産直市の成功に刺激を受けた隣接商店街が「せっかく近くまで来ているお客さんを自分のところまで引き込みたい」と新たな市を立ち上げたことなどにより、平成22年にはまちなかの3会場で、月1回開催されるようになりました。

 最初の会場では近郊の農家で朝採りされた新鮮野菜や生花が販売され、その他の2会場では三河湾で獲れた鮮魚と、安城市産業文化公園デンパークのパンやソーセージ、有機野菜などがそれぞれ販売されています。地元テレビ局や新聞でも取り上げられ、市内外から多くの人が訪れています。 この3会場の販売メニューがそれぞれ違っていることや、開催会場がまちなかを三角に結んでいることから、来場者の多くが掘り出し物を求めて各会場をはしごします。それにより回遊が高まり、徐々にまちなかに賑わいが広がっています。

鮮魚の「まちなか産直市」会場
 

各商店も巡り歩くお客さんを取り込もうと動きが出てきています。集客の目玉にと100円均一市を同時開催する取組みがスタートしました。惣菜屋さんたちが発案して各店のオリジナルコロッケを持ち寄り「コロッケ市」を始めました。この他にもまちなか産直市に合わせて開店時間を早めようとする商店の動きも出てきています。
 こうしたサンクスフェスティバルやまちなか産直市の取組みを見ると、そのねらいがまちなかの賑わいの創出だけではなく、市民や商業者のまちづくりへの参加意識を高めるきっかけづくりにあることに気づかされます。

6.今後の課題

 安城市では、今後、改正中心市街地活性化法(以下「法」)に基づく、中心市街地活性化基本計画策定の準備を進めていく方針です。 基本計画の認定に向けては、現在任意の協議機関である「まちづくりAnjo」の同法に基づくまちづくり会社化(=株式会社化)を図り、同法に基づく協議会の設立に取組んでいくこととなります。

 「まちづくりAnjo」を株式会社化するには、出資を受け事業を継続していく上での収益事業の確保が大きな課題となります。 まちづくり会社としての財政基盤の確立にあたっては、これまでの「まちづくりAnjo」の実績を踏まえ、関係機関の協力、支援が求められるところです。


7.関係者の声、まちの声

 これまで安城のまちづくりを牽引してきた「まちづくりAnjo」の鶴田タウンマネージャーは、「まちづくりの原動力は、“商業者や市民の安城をもっと元気にしたい!というキモチ”です。私たちは、そのキモチをつなげ、ヒトとヒトを結びつけて、大きなチカラにしていくことです。」と市民と商業者による安城のまちづくりへの想いを力強く語られました。

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