まちづくり会社訪問

全国中心市街地活性化まちづくり連絡会議第17回勉強会

 平成27年10月22・23日、岩手県紫波(しわ)町にて開催された「全国中心市街地活性化まちづくり連絡会議第17回勉強会」に参加させていただきましたので、概要を紹介します。
*「全国中心市街地活性化まちづくり連絡会議 (以下「全まち会議」)については、前回の勉強会参加レポートをご参照下さい。


1.全まち会議第17回勉強会次第

(1)勉強会【10月22日(木) 13:15〜18:15】

1)会長挨拶 株式会社まちづくり松山代表取締役会長  日野二郎氏
2)来賓挨拶国土交通省都市局まちづくり推進課官民連携推進室
                    企画専門官 林直人氏
3)講演「オガールプロジェクトの概要」
紫波町経営支援部企画課公民連携室長  鎌田千市氏
4)講演「オガールのこれまでとこれから」
オガールプラザ株式会社代表取締役    岡崎正信氏
5)国からの情報提供 内閣府地方創生推進室参事官補佐     柳幸一氏
経済産業省商務流通保安グループ中心市街地活性化室
                     企画係長 小野雅雄氏
国土交通省都市局まちづくり推進課
            中心市街地活性化係長 橋本龍介氏
6)参与団体活動紹介(独)都市再生機構全国まちづくり支援室
           地方都市戦略チーム主査 羽藤和紀氏
(一財)民間都市開発推進機構企画部課長 前川健二氏
5)意見交換会 


(2)現地見学【10月23日(金) 9:30〜11:00】

  オガールプラザ及び周辺施設



2.全まち会議第17回勉強会の概要

意見交換会
 (1)勉強会【10月22日(木)  13:15〜18:15】

 先ず、株式会社まちづくり松山代表取締役会長の日野二郎氏から会長挨拶、そして、国土交通省都市局まちづくり推進課官民連携推進室企画専門官の林直人氏から来賓挨拶がありました。
 引続き「オガールプロジェクトの概要」について、紫波町経営支援部企画課公民連携室長鎌田千市氏から次のとおり取組が紹介されました。

  • 紫波町は、盛岡市の南に位置し、人口は約34,000人。
    まちづくり政策は、平成12年から、有機、森林、無機資源循環の推進を図る「循環型まちづくり」、平成17年から、市民参加による自治、市民の公益活動への参加、地区コミュニティづくりを内容とする「協働のまちづくり」、平成19年から、「公民連携によるまちづくり」へと続き、各種複合施設を整備したオガールプロジェクトは、この平成19年からの取組となる。
  • 当時、紫波町には「紫波中央駅前10.7haの町有地の有効活用策」「役場庁舎の老朽化」「図書館新設の要望」の3つの行政課題があったが、財政的に対応が難しかった。
  • これを解決する方向性として、町長のリーダーシップのもと、PPP(Public Private Partnership)により、官民が目的決定、施設建設・所有、事業運営、資金調達等をそれぞれ役割分担して進めることにした。
  • これには、東洋大学社会人大学院公民連携専攻でまちづくりを研究し、帰郷していた、現オガールプラザ株式会社代表取締役岡崎正信氏の存在と、そのつながりによる学校法人東洋大学と紫波町との、地域再生プログラムの協定締結が大きな役割を果たした。
  • 3カ月をかけたPPP可能性調査、2年間で100回を数える町民意見交換会、企業立地研究会による40社に及ぶ市場調査等を経て、平成21年に「紫波町公民連携基本計画」がまとめられた。
  • また、同年に行政出資により「オガール紫波株式会社」が設立され、同社が、町、オガール紫波(株)、民間企業がどのような役割を果たすかという「役割分担の設計」をすることになった。
  • 以上のような取組により、岩手県フットボールセンター(コート)、オガールプラザ、オガール広場、オガールタウン日詰二十一区(住宅)、オガールベース、役場庁舎が平成23年から続々と建設され、現在、最後のD街区が整備中となっている。

●オガール

「育つ」を意味する紫波の方言「オガル」+「駅」を意味するフランス語「ガール」




 

 この後、オガールプラザ株式会社代表取締役岡崎正信氏から「オガールのこれまでとこれから」について、次のとおり講演がありました。

  • 現在、日本では既に人口減少に入っており、今後ますます人口の減少と高齢化が進行する。そのため、各地域では様々な活性化への取組が行われているが、再生に成功しているまちは多くない。
  • 衰退が進むと、人が流出し、企業も移転し、経済活動がどんどん縮小していく。
    紫波町は、県内で一番昼間人口率が低く、このような状況への危機意識を強く持つことが求められていた。
  • このような厳しい状況を背景に解決策を考えると、結局、地域の課題は「財政問題」であり、解決策は唯一「稼ぐこと」だと思うに至った。
  • このため、オガール地区を以下のエリアとして都市の多様性を実現することにした。
    • 基本的な都市機能単体でなく、複数の機能を有するエリア
    • 車と歩行者を共存させ、多くの市民が集えるようにし、それが活性化への触媒となるエリア
    • タイプの違う建造物を混在させ、使うことにより、多様な事業者が集うエリア
  • 具体的には、「働く場所」「滞在する場所」「職を支える場所」「スポーツをする場所」「飲食など愉しむ場所」をオガール地区に整備し、これに市民、行政、金融機関も関連させ、相互に資金が循環する社会システムの実現を図ることにした。
  • これからのオガールは、このコンセプトをさらに前進させ、新たなコンテンツ(施設、店舗、飲食店等)の拡充を図っていきたい。

意見交換会

 引続き、内閣府地方創生推進室参事官補佐柳幸一氏、経済産業省商務流通保安グループ中心市街地活性化室企画係長小野雅雄氏、国土交通省都市局まちづくり推進課中心市街地活性化係長 橋本龍介氏から、各府省の取組について情報提供がありました。

 この後、(独)都市再生機構全国まちづくり支援室地方都市戦略チーム主査羽藤和紀氏と(一財)民間都市開発推進機構企画部課長前川健二氏から、中心市街地活性化での公的セクターの支援事業が紹介されました。

 引続き意見交換会となり、7グループに分かれ、参加者が所属するまちづくり会社の組織構成や取組について相互に紹介し、その後、情報・意見交換が行われました。  主な内容は次のとおりです。

  • 商店街が疲弊し、賃貸しているアーケードの収入が厳しくなっている。
  • 駐車場整備にあたり、工事費が高騰しており、財源不足が顕在化している。
  • 累積赤字解消の短期化を目指しているが、収益事業の確保に苦慮している。
  • 指定管理、委託事業中心の収益構造のため財源が不足している。そのような状況下では、優秀な人材の確保と、その人材の部下の確保が難しい。


(2)現地見学【10月23日(金) 9:30〜11:00】

 主な見学施設は次のとおりです。

意見交換会


意見交換会
●オガールプラザ

上図右(紫波中央駅寄り)から、カフェ、子育て応援センター、図書館、地域交流センター、産直店、飲食店、学習塾等が入居。

●オガールベース

国際規格のバレーボール専用アリーナを中心に、ホテル、飲食店、コンビニエンスストア等が入居。

●オガール広場

建築物の間の芝生の広場で、休憩は無料、予約によりバーベキューが可能(有料)。

●オガールタウン

高気密高断熱の地元建築材使用、地元工務店施工による紫波型エコ住宅であることが建築条件になっており、エネルギーステーションからの給湯と暖房が利用可能。

●エネルギーステーション

紫波産の木質バイオマス燃料を使用。



プレーゴ


以上で、第17回勉強会は終了しました。

関連リンク

外部リンク
オガール
紫波グリーンエネルギー株式会社
全国中心市街地活性化まちづくり連絡会議
協議会交流会の活動報告
第9回 中部中心市街地活性化ネットワーク会議(豊田市)
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