協議会訪問

帯広市中心市街地活性化協議会

取組のポイント
  • 協議会がまちに出ていき、商店主、学生、子育てママ、高齢者と懇談会
  • 市民の声を2期基本計画の推進に反映
  • 議論が活発に行われる協議会

1.協議会組織の変化

(1)経緯

 帯広市の第1期基本計画は、平成19年8月から24年3月を期間とし、民間主体の事業を中心に構成し、取組まれました。

 成果としては、「市民ギャラリー整備事業」や「広小路アーケード等再生事業」そして「帯広まちなか歩行者天国事業」が順調に進捗・完了しました。ギャラリー利用率は目標を超え、歩行者通行量は基準値を下回っていますが下げ止まった兆候が見えてきています。

 しかし、中核事業として位置づけられていた、「まちなか居住促進」の3事業が、リーマンショック等の経済環境の変化により着手できず、所期の目的を達成することができませんでした。 そこで平成24年度に帯広市中心市街地活性化協議会(以下「協議会」。)は組織を大胆に変更し、平成25年3月から2期基本計画がスタートすることになりました。

(2)構成員

 基本計画1期時の構成員数は29名(最多時)でしたが、これを大幅に減らし12名という、他の一般的な協議会では、「幹事会」や「運営委員会」に相当する規模に縮小しました。  これは、構成員を少なくすることにより、全員が当事者意識を持ち、実質的な議論が活発に行われることを期待してのものでした。  構成員(委員)の人選は、1期時の主要な委員を中心に、2期基本計画事業で取り上げられたバス交通の整備にあわせ公共交通機関関係者を加え、最終的に12名が就任することになりました。



(3)会議

  コンパクトになった協議会は、期待どおり議論が活発に行われるようになりました。

 例えば、従来は会議時間が1時間程度で、報告事項の伝達や先進事例の取組紹介と質疑でしたが、これが2倍の2時間以上になり、内容も議論が飛び交う、実質のある活発なものになりました。  開催回数は、従来の年間5回に対し、24年度はセミナー等を除き9回開催されました。



2.新たな取組「帯広まちなか活性化懇談会」

(1)「背景」と「ねらい」

  これまでの取組により、中心市街地の公共施設等の社会資本は相当充実してきました。今後は、 これら既存の社会資本ストックをより活用するため、関係者が創意工夫を重ね、当事者意識をもって活性化に取組んでいくことが期待されました。  そのため、24年度に開催された9回の会議中7回(うち2回は連日開催)で、「2期基本計画を推進するための仕組みづくり」が協議されました。  その結果、「市民ニーズの吸い上げとそれを反映した事業づくり」、「関係者の当事者意識の醸成」、「次代の担い手育成」をねらいとして「帯広市まちなか活性化懇談会(以下「懇談会」。)」を発足することになりました。  この取組は、事業を推進する際の下支えとなる重要なものとして、2期基本計画と意見書にも明記されています。



2期基本計画構成図


(2) 懇談会への参加者

 商業者等、行政、商工会議所、そして、消費者、学生等の様々な年代・背景を持つ方々を参加者とし、テーマ、形態は固定的なものとせず、広く意見を聴取・議論し、当事者には何が求められ、何をすべきか等について情報共有と「当事者」意識の醸成を図ることとしました。

(3)開催状況
大学生・短期大学生・高校生との懇談会

 先ず、平成25年3月28日に第1回目が、アーケード内の軽食喫茶店を会場に、商店街代表者との懇談会が開かれました。日ごろの思いや悩みなど様々な意見が出されました。  出席者は、商店街関係者 11名、協議会委員 7名、行政 2名、商工会議所 4名の合計24名でした。

 事務局の商工会議所の会議室を会場にしなかった理由は、形式ばった会議というかたちでなく、気楽に何でも話せる雰囲気にしたかったためです。会場の軽食喫茶店主も交え、「自由に意見を出してもらい、また情報共有してもらおう。」、との考えによるもので、これは今後の懇談会でも同様となっています。

 2回目は、「若い人達の意見を聞きたい。」という委員の要望から、6月5日に大学生、短期大学生、高校生との懇談会が、まちなかにある地元百貨店8階の「市民活動交流センター」を会場に開かれました。

 出席者は、大学生、短期大学生、高校生全体で13名、協議会委員7名、商店街関係者8名、行政4名、商工会議所4名の合計36名でした。大学生・短期大学生・高校生の2倍近い協議会等関係者が参加することになり、熱意がうかがえます。

 この、自分の子や孫の世代との懇談会は、協議会等の参加者に新鮮な反響を呼び起こし、早速夏休み後の10月から、大学生、短期大学生、高校生毎に日程を分け懇談会を開催する予定です。  平成25年度は、この「つながり」を活かし、学生・生徒が卒業するまでに、実現に繋げられる事業があれば、一歩でも前に進もうという思いで取組んでいます。次年度以降は、子育てママ、高齢者と対象を変え実施していくことが計画されています。

6月5日に開催された、大学生・短期大学生・高校生参加の懇談会の様子を一部ご紹介します。



大学生
 
どんな店があったら行ってみたいか?
・ある店は、毎年、季節ごとにハガキをくれるため買物に行く。スタッフの対応の悪い店には行きたくない。
・チェーン店でなく、地元のお店で、軽食を出すカフェがあれば良い。
 
そうした店は、昔は中心部でも多かったが、撤退していった。
・大学近くにある店は古い建物を建替え、静かで落ち着く雰囲気でいつも客で混雑している。
 
まちなかをどのようなことで利用するか?
・2年生になると、アルバイトなどのためまちなかに来る。その内の6割くらいが車を保有。
・こうした話し合いの場があるのをはじめて知った。もっと活動している学生もいるので、
 そういった人たちにも参加してもらったら良いと思う。


短期大学生
 
本音を聞きたい。中心市街地に来ることはあるか?
・あまり来ない。来たいが、車を運転しづらい。道路案内が少ない。
・友人と食事。図書館に勉強を目的に車で来る。
 
中心市街地に期待することは?
・自己表現をする場がほしい。ホコテンにも参加している。このような懇談をする機会も欲しい。
 食を活かすイベントが少ない。
・幅広い世代間で、まちづくりに関する意見交換をする場がほしい。
・韓国に旅行した際、駅の近くにステージを設置し、夜だけダンスをしている場所があった。
 帯広でも日曜日にそのようなイベントがあれば来たい。
・中心市街地にスポーツをする場所がない。ファッションに関する価格の安い店が多いと来街者が増えると思う。
・食事をする場と語らいの場を中心市街地にほしい。
 
新たに店を探す時、どのような方法で行う?
・無料配布している帯広の飲食店等の情報誌を見る。
・Webサイトを見る。きれいなサイトの店には行きたくなる。
 
市振連では、Webサイトで店の情報を出そうと考えている。その場合使うか?
・ぜひ、使いたい。


高校生
 
自分あるいは家族はどこで買物をする?
・服は郊外の大型店、食料品は近くのスーパー。
 
最近中心部に来た?
・平原まつり、七夕、ホコテンなど。イベントがある時は親と来る。
 
まちに必要な魅力は?
・ゲームセンターなど、もっと若い人が遊べる場所が欲しい。
・大人向けの飲食店が多く、高校生の入れる店が欲しい。普段は、ファストフード店。
 
中心部に出てくる交通手段は?
・バス。でもバス停が国道で遠い。また、本数が少なく、行きたい時間に行けない。
・友達とは自転車、親とは車で来るが車を停めにくい。
 
以前、デパートの屋上に遊園地があった。今、そういうものがあれば行くか?
・(全生徒)行く。
 
帯広をどうしたいか?
・観光客を呼び込み活性化させたい。
・帯広といえばこれ、といったものをつくりたい。


3.「帯広まちなか活性化懇談会」と2期基本計画、協議会活動



 懇談会はまだ2回しか開催されていません。しかし、これが協議会等関係者に与えた印象は強く、大きく、予想以上の好スタートを切ることができたようです。

 今後、計画期間を通じて開催される懇談会により、利用者(市民)の意見が大きく反映され、より良い事業として修正、変更となることが予想されます。さらに、この取組は、青年層を中心とする「次代の担い手」を養成していく効果も持っています。

 以上の懇談会を踏まえ、現在、協議会では、12名の構成員を、さらに少人数の 1) 懇談会の運営や事業の進捗管理、2)中・長期的なまちづくりの検討、という2グループに分け、より効果的・効率的に運営できるよう、下部機関を設置することが考えられています。



4.関係者の声


右から、協議会会長 秋元和夫氏 帯広商工会議所中心市街地活性化推進室長 飯田勇氏

 懇談会の開催について、協議会の秋元和夫会長は次のように語っています。  「このような会合を、もっと開催していきたい。参加された大学生・高校生の方々には、学校に持ち帰り、友人にぜひ、みんなで十勝・帯広をもっと良いまちに変えていこう、と伝えてほしい。また、懇談会を中心市街地活性化の取組のひとつの象徴として、推進していく必要がある。」 

 また、懇談会の感想として、協議会委員からはこのような言葉が寄せられています。
 「高校生がこんなことを考えているのかが分かり、すごくうれしかった。こういう話し合いの機会を設け、若い人の意見を聞いた方が良いと感じた。」
 「この懇談会のように、懇談や交流をすること自体がきっと居場所の魅力につながる。この懇談会は、いろいろな人の話を聞くことが目的かもしれないが、こういう、交流できる機会、場所そのものが取組のひとつになり、形になっていけば、おもしろいかもしれない。」
 「まちなかは高齢者が多い地域であり、まちなか居住では、若い人がいるだけでこれだけ明るくなるので、中心市街地と若者のコラボが見いだせたらと考えています。」



5.取材を終えて


 帯広市は、北海道によくみられる屯田兵が開拓した土地ではなく、静岡県を皮切りに富山県、岐阜県などの方々が多く移住し開かれたところです。今回の、2期基本計画事業の推進を支える懇談会という取組は、「市民みんなでまちを創っていく」活動となりました。

 若者の次は子育てママ、そして高齢者との懇談会が計画されています。  今後の懇談会にも期待がかかります。


取材:平成25年9月



帯広市の概要
帯広市

  帯広市は、北海道東部の十勝地方のほぼ中央に位置する、人口約17万人の中心都市です。
  農業を主要産業とし、農産物集積地、商業都市としての役割を担っています。



協議会の概要
協議会名:帯広市中心市街地活性化協議会
所在地:北海道帯広市
設置日:2006年5月25日
構成員:12名
法定組織者:【都市機能増進】NPO法人十勝まちづくり住の会(中心市街地整備推進機構)
【経済活力向上】帯広商工会議所
主な構成員: 帯広信用金庫、帯広商工会議所、NPO法人十勝まちづくり住の会、帯広市、帯広市商店街振興組合連合会、
とかち帯広デザイン協議会、北の起業広場(協)、帯広畜産大学、十勝地区バス協会、帯広まちなか歩行者天国実行委員会

関連リンク

平成24年度中心市街地活性化協議会全国交流会
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