協議会訪問

富山市中心市街地活性化協議会

取組のポイント
  1. 平成24年3月に第1期の基本計画期間が終了し、新たに平成24年3月29日付で第2期の基本計画が認定された。
  2. 第2期の基本計画においては、66の事業を推進することで、3つの目標=「路面電車市内線一日平均乗車人数」、「中心商業地区の歩行者通行量(日曜日)」、「中心市街地の居住人口の社会増加」を達成し、中心市街地の活性化を目指す。
1.協議会の概要
協議会名:
富山市中心市街地活性化協議会
所在地:
富山県富山市
設置日:
平成18年8月30日
主な構成員:
【都市機能増進】(株)まちづくりとやま
【経済活力向上】富山商工会議所
主な構成員:
富山市商店街連盟、富山市、富山地方鉄道梶A椛蝌a、竃k陸銀行、北陸電力梶A富山商工会議所女性会、潟Vー・エー・ピー、富山商工会議所、鰍ワちづくりとやま
参考記事
富山市中心市街地活性化協議会 (2007.10.12)
2.まちの概要

(1)位置・人口

立山連峰

 富山県の県庁所在地である富山市は、同県中心部に位置する都市で、東は立山連峰を経て長野県、南は岐阜県と接し、北は日本海の富山湾に面しています。平成17年に旧大沢野町、大山町、八尾町、婦中町、山田村、細入村と合併し、面積は1241.85kuと県内最大になり、富山県の3割を占めることになりました(人口約420千人[H24/4/1現在])。


(2)交通アクセス

 主要道路としては、北陸自動車道(富山IC、富山西IC)、国道8号が東西に走り、岐阜県へ抜ける国道41号が南へ走ります。鉄道の玄関口であるJR富山駅には北陸本線、高山本線が結節し、また駅の南口には富山地方鉄道の「電鉄富山」と同市内軌道線の「富山駅前」、北口には富山ライトレールの「富山駅北」の各乗り場が集積しています。駅から南に約7kmの神通川河川敷には富山空港があり、国内線(東京・札幌)の他、韓国、中国、台湾への国際航路がひらかれています。そして平成26年度末にはいよいよ北陸新幹線が開業いたします。


(3)まちの特色

セントラム

 富山市は水深1,000メートルの富山湾から、標高3,000メートル級の北アルプス立山連峰まで、高低差4,000メートルの多様な地勢を誇る、水と緑に恵まれた日本海側有数の中核都市です。合併して立山連峰を含むことで、県庁所在地の中では静岡市に次いで、2番目に面積が大きい都市となりました。一方で、公共交通を活かしたコンパクトシティを目指した都市計画を進めています。旧JR富山港線の第3セクター移管・LRV運行(ポートラム)と、富山鉄道市内軌道線の環状線化(セントラム)など、LRTを活かしたまちづくりは全国の注目を集めています。



3.中心市街地の現状について

(1)現状と課題:第1期基本計画のまとめ

 平成24年3月で第1期基本計画の計画期間が終了しました。以下の3つの目標を達成するため27の事業が計画に位置付けられ、完了10、継続中16(未着手1)という状況ですが、着実に効果が出ています。


(@)公共交通の利便性の向上
総曲輪フェリオ

目標指標 路面電車市内線1日平均乗車人数

基準値
H17年度
目標値
H23年度
最新値
H23年度
10,016人13,000人
約1.3倍
11,476人
約1.15倍

 「路面電車環状線化事業」による路面電車の利便性の向上や、「総曲輪通り南地区第一種市街地再開発事業(総曲輪フェリオ)」等が寄与し、乗車人数は毎年増加しています。

今後も、ポートラムと市内軌道線を直通させる「南北接続事業」や「パークアンドライド事業」等を中心に、更なる利便性の向上を目指しています。


(A)賑わい拠点の創出
グランドプラザ

目標指標 中心商業地区の歩行者通行量(日曜日)

基準値
H18.8
目標値
H23.8
最新値
H23年度平均
参考
H24.3
24,932人32,000人
約1.28倍
27,407人
約1.10倍
33,247人
約1.33倍

  「グランドプラザ整備事業」や「中心市街地魅力創出事業(ファサード整備)」等を通じて賑わいが創出され、通行量が増加傾向にあります。特に総曲輪通りにおいては平成18年に8,421人だった通行量が、平成23年には13,155人と実に約56%の増加となったとのことです。また中心商店街へは直近3年間で33店舗が新規出店するなどの効果も出ています。これらの結果、地価の動向は平成18年以降下げ止まっています。



(B)まちなか居住の推進
新築マンション

目標指標 中心市街地の居住人口(自然増)

基準値
H18.9
目標値
H23.9
最新値
H23.9
24,099人 26,500人
約1.10倍
23,507人
約0.98倍

 中心市街地の居住人口(自然増)は約1.1倍の増加を目標としていましたが、全体では、減少傾向にあります。主な原因としては、中心市街地は市の全域と比較して高齢化率が高いことが考えられます。但し、「まちなか居住推進事業」等の効果により、社会増減では転入超過となり増加の傾向がみられ、年平均116人の転出超過から66人の転入超過へと大きく改善しています。今年に入り中心市街地内でのマンションの建設も加速し、中央通りや西町交差点角地で建設されているマンションは完工を待たずに全戸完売するなど順調に成果が出ています。


(2)第2期基本計画における主な活性化策

街なか感謝デー
レンタルサイクル
地場もん屋

 平成24年3月29日付で認定を受けた第2期の基本計画においては、新たに設定した3つの数値目標(「路面電車市内線一日平均乗車人数」「中心商業地区の歩行者通行量(日曜日)」「中心市街地の居住人口の社会増加」)を達成するため、継続事業を含めた66の事業が推進されます。



主な既存の取組(ソフト事業等)

  • 街なか感謝デー
  • 富山市レンタサイクル
  • 情報誌シティーウォーカー発行
  • 地場もん屋
  • 富山まちなか研究室(MAG・net)
  • 学生まちづくりコンペティション


今後の主な取組(ハード事業)

  • 旧富山大和跡地再開発
  • 旧西武跡地再開発
  • 総曲輪西地区再開発
4.取組状況

(1)第2期計画策定までの流れ・取組

 第2期基本計画策定までの流れとしては、まず富山市役所内に新富山市中心市街地活性化基本計画庁内策定委員会が設置され、H23/7/21とH23/8/30の2回開催されました。

 中心市街地活性化に関する検討の場としては、商店街振興組合や商工会議所青年部、NPOなどにより構成された基本計画策定ワーキンググループが設置され、H23/6/6からH23/8/8までに計6回、ワーキンググループが開催されています。

 また、『中心市街地に賑わいを創出するにはどうしたらよいか』をテーマにした、とやままちづくり市民討議会を2日間開催したほか、地域企業や市民等との意見交換会の場として、@市長と県外企業・富山赴任者の方々との懇話会、A市内企業従業員及び家族との意見交換会、B富山市経済懇談会を開催するなど、地元・市民の声を積極的に取り入れて検討が重ねられてきました。


(2)協議会における会議・幹事会

 協議会の会議は平成23年度にH23/6/9、H23/8/11、H23/11/28の計3回、協議会の下部組織として設置された幹事会もH23/8/4、H23/11/14、H23/11/24に計3回開催され、H23/11/10に諮問を受けた基本計画(案)に対する答申がH23/11/30に行われました。

5.今後の課題

 中心市街地がますます便利になりマンション需要も旺盛となっていますが、一方で生鮮食品・日用雑貨の店が不足気味ですし、休日の通行量も増えてきましたが夜の総曲輪地区はやや閑散としています。また駅前と総曲輪の2極の回遊性に加え、周辺商店への効果波及も課題となっています。

6.関係者の声、まちの声

 協議会事務局である鰍ワちづくりとやまの担当者にお話をお伺いしたところ、「これまでの富山の中活事業は、富山市役所が企画立案した事業をまちづくり会社が具体化し、事業展開を行うといった、二人三脚で進めている。新しく第2期計画を進めるにあたっては、まちづくり会社の自主財源の確保等、その自立・活性化がますます問われることとなる」とのことでした。

7.取材を終えて

 現在、富山駅では新幹線の開業に向けて工事が着々と進んでおります。富山市は第1期、第2期ともに全国の認定第1号となった中心市街地活性化の先進地域ですが、北陸新幹線の開業でまちや人の流れが大きく変わることが予想されます。この大きな転換点をプラスにしていけるかどうかは、これからの中活事業にかかっていると思われます。第2期計画はスタートしたばかりですので、今後の取組に期待しております。


取材日 平成24年8月

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